◆明治安田生命J1リーグ第28節 札幌5―1清水(21日・札幌ドーム)

 北海道コンサドーレ札幌が、快勝と引き換えに大きな代償を払った。ホーム・清水戦は前半5分に先制されるも、途中出場のFWアンデルソンロペス(27)が同点、勝ち越し弾を決めるなど今季最多の5得点。5―1で3試合ぶりの白星を手にした。本拠地負けなしを6試合に伸ばしたが、前半10分にMF荒野拓馬(27)が相手のタックルを受け左足首を骨折し、3分後に交代。今季チーム2位タイの28試合に出場する攻守の要が今季絶望となる、痛手も負う結果となった。

 仲間の無念の思いが、札幌イレブンを突き動かした。0―1と清水にリードされた前半10分、札幌ドームが静寂に包まれた。背後からタックルを受けた荒野が左足首を骨折。担架に乗せられ、ピッチを後にした。予期せぬアクシデントが、出だしの悪かったチームを奮い立たせた。

 荒野に代わって入ったロペスが前半17分にPKを決めて追い付き、同36分には左足で逆転弾を決めた。4分後にDF金眠泰(26)の札幌4年目での初得点で突き放すなど、終わってみれば今季最多5得点を挙げての快勝。ロペスは「拓馬のためにと、みんなが一丸となって戦うことができた」と口にした。

 選手会長を務める荒野は今季、29試合出場のMF駒井に次ぎ、主将のMF宮沢と並ぶ28試合でピッチに立ってきた。チーム1の運動量を生かし、首位・川崎から24戦目で初勝利を挙げる要因となったゼロトップ布陣の中核をなすなど、攻守の要へと成長。ピッチ外でもフードロス問題に取り組むなど、プロ9年目で札幌の顔的存在になった。

 ジュニアユースからの6年間は、片道20分以上の道のりを雪が降っても自転車で練習場に通い、ゲームなどもせず、ボールを蹴り続けた。「何よりサッカーと札幌が好きだから」。勝利を第一に考え、相手サポーターに名指しで疎まれるほど体を張る、嫌われ役もいとわない永遠のサッカー小僧は、今季どころか来季の開幕も絶望となった。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(63)が「手術が必要だし、何か月も出場できない時間が続く。彼を欠くのは痛い」と感傷的な表情を見せたほど、貴重な戦力を失った。

 志半ばでシーズンを終えた荒野の意志は、残りのメンバーが引き継ぐ。後半28分に直接FKで今季初得点を挙げたDF福森晃斗(27)は「欠かせない存在の1人だったから残念」と漏らしつつ、「拓馬の思いを背負って戦っていかないと。気持ちよく帰って来られるように、結果と順位で示していかなければならない」と皆の思いを代弁した。全治は21日時点で未定も、復帰はまだまだ先になるのは確か。その時のためにも、残り4試合、無様な戦いなどできない。

(砂田 秀人)

 初出場も不発ウーゴヴィエイラ

 〇…新加入のFWウーゴヴィエイラ(32)=写真=が札幌デビューを飾った。2試合連続弾を決めたFWジェイに代わり、後半21分から出場。最前線で攻撃に関わったが、実戦から2か月近く遠ざかっていたこともありシュートもなしと、大きな見せ場は作れなかった。ペトロヴィッチ監督は「まだまだ状態は上がっていない現状だが、得点能力を持った選手だから。練習や試合を重ねることで上がってくると思っている」と期待を込めた。