日本相撲協会は21日、東京・両国国技館で秋場所(9月12日初日、両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、名古屋場所で14勝を挙げた照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=の横綱昇進を満場一致で承認した。新横綱は17年初場所後昇進の稀勢の里以来で、平成生まれは初、令和最初の横綱が誕生した。照ノ富士は、都内の伊勢ケ浜部屋での伝達式で「不動心を心掛け、横綱の品格、力量の向上に努めます」と口上を述べた。

 晴れ舞台で照ノ富士がよどみなく覚悟を示した。昇進伝達の使者として同じ伊勢ケ浜一門の高島理事(元関脇・高望山)と浅香山審判委員(元大関・魁皇)が到着。午前9時31分、古傷の両膝をかばい、膝立ちから両拳を地につけると、満場一致の推挙を聞いた。「謹んでお受け致します。不動心を心掛け、横綱の品格、力量の向上に努めます」。口上を述べると、平成生まれで令和最初の横綱が顔を上げた。

 両膝のけが、糖尿病などで大関から序二段まで落ちながら、「入門当時、落ちたときでも」と目標にしていた最高位に到達。口上には、土俵上の振る舞いで横綱審議委員会から苦言を呈された横綱・白鵬を意識したのか「品格」の文言も入った。師匠・伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)と部屋のおかみさんと相談して決めたという。「何事にもブレない精神を持って、これからも頑張っていきたいという思い。横綱はどういう生き方するべきかと考えた」と説明。出来は「自分の中では満点」と納得顔だった。

 横綱土俵入りは師匠と同じ不知火型を選択。伊勢ケ浜親方は「(日馬富士に続く)2人目の横綱だし、これ以上何も言うことないですよね」と感慨深げ。土俵入りは今後、師匠から直接指導を受ける。慣例なら23日に明治神宮の奉納土俵入りだが、延期されるため初披露はもう少し先になりそうだ。

 史上9人目の新横綱Vにも期待がかかる。不屈の新横綱は「今まで通りでは、絶対ダメですから。みんなの見本と基本になるような横綱でいたい」。品格とは、という問いに「生き方で証明したいです」と揺るぎない決意を語った。(竹内 夏紀)

 ◆照ノ富士 春雄(てるのふじ・はるお)

 ▼本名、生まれ ガントルガ・ガンエルデネ。あだ名は「ガナ」。1991年11月29日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。192センチ、177キロ。

 ▼しこ名 入門直後は当時の師匠・間垣親方(第56代横綱・2代目若乃花)が大関まで使っていた「若三杉」から取った「若三勝」。伊勢ケ浜部屋転籍後に部屋の大先輩、第38代横綱・照国と、師匠・伊勢ケ浜親方の第63代横綱・旭富士からもらった。

 ▼入門 11年に外国人枠が空いていた間垣部屋に入門し、5月の技量審査場所で初土俵。

 ▼幕内優勝 4回

 ▼スポーツ歴 白鵬の父・ムンフバトさんの紹介で16歳から柔道を始め、18歳で逸ノ城らと共に鳥取城北高に相撲留学。

 ▼得意 右四つ・寄り