◆WBC2023 ▽準々決勝 メキシコ5―4プエルトリコ(18日・ローンデポ・パーク)
乗っている。この勢いが侍ジャパンの脅威だ。逆転勝利で初の準決勝進出を決めたメキシコナインは、マウンド付近に集まって優勝したかのように肩を組んでお祭り騒ぎ。国旗を誇らしげに持ち、集合写真の撮影もするほどだった。ヒル監督は「あきらめずによく戦った。素晴らしいチームを相手に勝利を手にすることができたことを神に感謝する」と興奮を抑えきれなかった。
1次ラウンド(R)では、初戦のコロンビア戦こそ競り負けたが、2戦目で優勝候補筆頭の米国を破ると、上昇気流に乗って3連勝。この日も初回にエース左腕のJ・ウリアス(ドジャース)が2発を浴びて4点を先行されたが、2点を追う7回2死満塁から3点を奪って逆転した。
打線の中心は「1番・左翼」で先発しているアロザレーナ(レイズ)。今大会はここまで17打数8安打の打率4割7分1厘で9打点。もう一人が3番に座る元オリックスのメネセス(ナショナルズ)。米国戦で2本塁打を放ち、打率3割9分1厘。21年東京五輪・日本戦で西武・平良から本塁打を放った日本キラーだ。
この日はアロザレーナが1安打、メネセスが無安打と抑え込まれたが、5番のパレデス(レイズ)が2回にソロを放つなど3打数2安打3打点。試合前まで打率1割を切っていたバードゥーゴ(Rソックス)も1安打1打点と調子を上げてきた。投手陣も2回以降は無失点リレーと踏ん張った。
さらにメキシコは守備で大胆なシフトを敷く場面も多かった。特に左打者に対しては一、二塁間に3人が守り、三塁手も遊撃の定位置付近を守ることもあった。大谷、村上らには敷かれる可能性も高そうだ。2大会連続準優勝のプエルトリコを破ってのWBC初となる準決勝。指揮官は侍ジャパンとの戦いへ「我々は日本をとてもリスペクトしているが、集中しているし、ベストを尽くす」と決意を口にしていた。(安藤 宏太)