さっぽろ大通ビアガーデンが今年から全席禁煙となるなど、札幌市内でもたばこの受動喫煙対策が進んでいる。だが、歩きたばこは一向になくならない。歩きたばこを禁止した道内初の「ポイ捨て防止条例」が2005年に施行されてから12年、今も指導員が巡回している。市内中心部の喫煙制限区域を指導員と一緒に歩いた。

 7月下旬の午前10時半、青空が広がる札幌市中央区の大通公園は、テレビ塔をバックに記念撮影をする観光客らでにぎわっていた。

 同行させてもらったのは市の嘱託職員で散乱等防止指導員の蛭田信行さん(62)と藤島智さん(62)、警備員の3人だ。制限地域は約80ヘクタールあり、指導員が年末年始を除き、毎日巡回している。

 市役所を出発し、大通公園、JR札幌駅を回って戻る3・3キロのルートを歩いた。指導員の2人は道警OBで、きびきびとした動きには無駄がない。

 警備員は巡回中、落ちている吸い殻を火ばさみで拾い集めていた。一緒に歩くと、普段は気に留めていなかった歩道の吸い殻が、次々と目に飛び込んでくる。

 札幌駅近くのベンチでは駅構内の喫煙所がそばにあるのにもかかわらず、吸い殻が落ちていた。札幌駅バスターミナルでも、周囲から死角になっている場所にいくつも散らばっていた。蛭田さんは「制限区域のことが浸透してきて、目に付きにくい場所で隠れて吸うようになった」と話す。

 1時間歩いて市役所に戻った。指導員の2人は「2、3年前よりも喫煙者の姿は減ってきたように感じる」と振り返る。それでも指導員の姿を遠くで見つけて走って逃げる人や、過料を徴収するときに反発されて押し問答になることもあるという。

 取材中に警備員が回収した吸い殻は61個。今回のルートは前日も巡回しており、その後にポイ捨てされたものばかりだ。このルートには毎日ほぼ同じ数の吸い殻が落ちていて、ススキノ側を回ると100個近く拾うこともある。巡回中に見つけられる違反者は氷山の一角だ。(谷本雄也)