国の天然記念物に指定されているシマフクロウが知床地域以外のオホーツク管内で繁殖していることを、環境省釧路自然環境事務所が初めて確認した。個体保護のため場所は非公表だが、同省が生息地域の拡大を目的に設置した巣箱で生まれたとみられるひなを見つけた。同事務所は今後も巣箱の設置や森林保全を通じて生息地域を広げ、個体数の増加につなげたい考えだ。

 同事務所が管内の国有林で10日に行った調査に同行した。

 鳥のさえずりが響く中、事前に繁殖の形跡を確認していた巣箱に向かうと、調査を指揮するシマフクロウ環境研究会(札幌)の竹中健代表が、高さ3メートルほどの枝に止まっているひな1羽を発見した。慎重に近づいて捕獲し、心拍数や体重を計測。個体識別番号の付いた足環(あしわ)を着けて元にいた場所に戻した。

 ひなの体重は1620グラムだった。性別は血液検査で判定するため、現段階では不明。近くに親鳥も1羽いた。足環を着けていたが、識別できず、どこに生息していた個体かは分からなかった。

 シマフクロウは環境省の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)で、「ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高い」とされ、同省が2017年度に道内で確認したのは165羽だった。