これぞ、代打職人の真骨頂だ。1点を勝ち越された直後の七回、仕事の時がやってきた。一死二、三塁の場面で「代打・矢野」が登場した。カウントは1―2。「タイミングだけをしっかり取って」と、唐川の投じたカーブにバットを合わせた。打球は三遊間を抜け左前へ。逆転2点打で試合をひっくり返した。

 北海道移転後、通算1000勝に導く劇打。「勝ちに貢献できたのはうれしい。これから積み上げていくのに、一つでも貢献していきたい」

 そして、奮闘を続けていた上沢に、勝利を届けたかった。「気持ちを込めて、ここ何試合か投げている。それは僕らには十分伝わっている。何とかしたいと思っていた」。執念の一打で、見事に白星をプレゼント。

 新加入した後輩の紹介も忘れなかった。この日、帯広の地で入団会見を行った杉浦は、同じ国学院大出身。お立ち台上で「帯広出身の杉浦も加入しました。自分の大学の後輩なんで、よろしくお願いします」

 最後はお決まりの言葉で締めた。「帯広最高〜! からの〜、ファイターズ最高〜!!」。頼れるベテランの存在が、暗闇から抜け出せないチームの道筋を照らす。(十島功)<道新スポーツ7月27日掲載>