プロ野球の北海道日本ハムの守護神としてマウンドを守り続けた武田久。最多セーブのタイトルを3度獲得したが、膝の故障もあり、2015年以降は万全の状態で投げられていない。今年、39歳を迎える。けがとの葛藤や試合の最後を託される抑えの自負…。先発から今季再び抑えに戻った増井浩俊についてなど。前ヘッドコーチ、阿井英二郎が本心に迫った。(敬称略)

■「若手の手本」は面はゆい プロは結果を

 ――タイトルを取って優勝もして、守護神を張ってきた。でも、(15年に手術した)両膝の故障もあって現在は苦しんでいる。

 「膝は正直ずっと良くないです。チームも若手中心になってきて、いまさら抑えができるかと言ったら難しい。でも、まだ契約してくれているということは何かを期待されていると思うんです。若手のお手本、と言われるのはうれしい半面、精神的支柱と言われることはものすごくかゆい。お手本がいなくても、考えてやる選手はしっかりやると思う。プロだから最後は個人。結果を出せば長くできる。純粋に結果を期待されて契約してくれていると思いたい。だから結果を出せていないのが悔しい」

 ――プロだから年俸も価値の一つ。一時期より年俸が下がってはいるけど、今の久を前に進ませているのは何かな。

 「脂が乗っている時は頑張れば、1億円アップの可能性もある。それは選手のモチベーションになると思う。でも、いまさらお金(を追求する)というのも正直ないです。今は万全ではない体で、年も重ねて、もう技術しかないと思っている。体力ではカバーできない。きれいに言えば集大成。若い頃は力で抑えられる時期もあったけど、今はそういうことはできない。一つミスすればすぐ打たれる。投球技術をどこまで習得してきたのかを一番試されている感じがします」

 ――投手としての集大成。

 「真剣勝負として野球ができるのは、どれだけ頑張ってもあと1年か2年。投手としてどれだけ自分がやってきたかだと思います」