金沢市は、人手不足が深刻な林業の担い手確保に本腰を入れる。県内の森林団体が人材の育成へさまざまな手だてを講じているが、高齢化や後継者難で業界の衰退に歯止めが掛からず、市内でも造林業者は10年間で3割減少した。手入れの行き届かない森林が今後増える恐れもあり、市は20日に現場見学ツアーを初めて開催し、豊かな自然環境を守り育てる人材の掘り起こしを進める。 県内では、県森林組合連合会が高校生を対象にインターンシップ(就業体験)を企画するなど、人材獲得に向けた取り組みが活発に行われている。 それでも高齢化や後継者の不在、木材需要の減少で造林業者の廃業が相次いでおり、市内の林業経営体も10年前の約100経営体から、近年は約70経営体に大きく数を減らしている。市としても担い手の獲得と業界の活性化を後押ししようと、現場見学ツアーを企画した。 市によると、樹木に囲まれた環境で働くことを希望する人は一定数いるものの、具体的な仕事内容や職場環境が分からず、就業に踏み出せないケースも多い。林業従事者として働く姿をイメージできるよう、実際の作業現場を見てもらう機会を設けた。 ツアーは市内の山林で実施する。チェーンソーを使った樹木の伐倒作業を見学するほか、林業従事者との座談会も予定している。対象は18〜65歳で、先着10人まで参加できる。 市は、ツアー参加者の中で林業について専門的に学びたい人がいれば、林業経営に必要な知識や資格を取得できる金沢林業大学校への入校も勧める方針だ。 森林再生課の担当者は「林業の担い手確保は喫緊の課題。業界を背負って立つ人材を育て、豊かな里山を次代に引き継ぎたい」と話した。