7月に参院選を控える中、北陸新幹線沿線の国会議員らが京都府選挙区(定数2)の票の出方に関心を高めている。小浜ルートを推す与党整備委員長の西田昌司氏を含む8氏が名乗りを上げる選挙区で、「ルートの是非」が争点の一つとなる可能性があるからだ。府内では環境に悪影響を与えるとして「小浜」での整備に対する懸念が広がっており、京都の選挙結果は与党議論の方向性を占う試金石となりそうだ。
「『しっかり市民に説明せよ』というのが市議会の民意だ」。11日、京都市の松井孝治市長は陳情に訪れた国土交通省内で、小浜ルートによる新幹線建設が地下水に影響を与えるという不安を払拭することが重要だと強調した。
松井市長がこう発言した背景には、市議会が「大深度トンネル」に反対を表明する決議を6日に可決したことがある。京都市は府内の人口の半数超を占める。京都仏教会は「千年の愚行」として延伸計画に反対しており、「小浜」への懸念が高まっているのは確かである。
●ルートの是非が争点
こうした中、北陸新幹線沿線の国会議員からは「京都府選挙区が大きな関心事。有権者にルートの善しあしを考えてもらう絶好の機会になる」との受け止めが広がってきた。
石川県内では「小浜」から「米原」への転換を求める声が強まっているが、自民党内では「既に与党合意している『小浜』を全面に掲げて有権者に問うべきだ」との意見が根強い。
与党整備委メンバーの佐々木紀衆院議員は「委員長の西田氏は『小浜』を大々的に打ち出して地元の理解を得てほしい」とハッパを掛ける。関西を含むほかの国会議員も選挙戦の論戦のみならず、各候補の集票数が敦賀以西の延伸議論を進める上での判断材料になるとの見方を強める。
●「相手に乗らない」
京都府選挙区では、出馬を予定している8氏のうち、少なくとも2氏が「ルートを再考せよ」と訴える。小浜での整備に「断固反対」と主張する候補予定者もいる。一方、現職である西田氏は「新幹線の延伸は『小浜』で決まっている。『米原』や建設反対を主張する相手には乗らない」として争点化は避けたいようだ。
というのも、西田氏周辺には「現行ルートへの反対運動があるさなかに『小浜』を主張しても票にはならず、むしろ落とすだけだ」(自民府議)との危機感があるためだ。実際、西田氏は街頭演説でも延伸計画に触れることは少なくなっているという。
2人区の京都府選挙区は、前回選で西田氏が42万票余を獲得して盤石の強さを見せた。今回は6年前と事情が異なるとはいえ、どんな集票数になるのか。沿線からは「小浜推進派の委員長が先頭に立って優位性を主張できないのは、いかがなものか」との声も聞かれており、国会議員には関西延伸の方向性だけでなく、経済的にも災害時の輸送手段としても有効な新幹線整備の意義について、しっかりとした説明が求められている。


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