2015年に他界した県内を代表する陶芸家木村盛和さんの三回忌追悼特別展(福井新聞社後援)が29日、福井県越前町の県陶芸館で始まった。鉱物を使ってわんや花器などの表面に結晶を輝かせる独特の創作世界を築き、国内でも高い評価を受けた作品の数々が並ぶ。9月18日まで。

 木村さんは京都国立陶磁器試験場職員として鉄釉(ゆう)(天目釉)の研究や創作に取り組み、1976年に同町佐々生へ移住。黒地に点々と油の滴りが浮いたような模様の「油滴天目」をはじめ、国内外の鉱石を使って創作の新たな境地を開いてきた。05年に福井新聞文化賞を受賞、同館の名誉館長も務めた。

 特別展では、遺族から同館に寄贈された作品に京都国立近代美術館の所蔵品も交え48点を出展。初期から最晩年まで創作の変遷を知ることができる。

 晩年の代表作の一つで11年ごろの「エメラルド釉窯変結晶茶わん」は、わんの内側や側面を覆う茶色が見る角度によって虹色に変化する。小泉洋介学芸員は「まるで宝石のような輝き」と表現する。「木村先生は、90歳を超えた最晩年になお新しいことをやり遂げようとしていた。常に進化を目指し続けた作家の創作の世界に浸っていただきたい」と話している。

 会場では作品のほか、木村さんが使った釉薬原料のリストや、工房の概要を写真や図面で紹介している。

 午前9時〜午後5時。入館料は一般300円。期間中、8月13日午後2時から木村さんの作品に触れながら学芸員と作風などを語る企画があるほか、9月3日午後1時半から学芸員のギャラリートークが行われる。9月18日以外の月曜休館。
【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】