半世紀前、戦火の絶えないインドシナ半島で活躍した青森市出身の戦場カメラマン澤田教一(1936〜70年)の写真展が福井県鯖江市まなべの館で開かれている。ベトナム戦争で銃弾を避けながら川を渡る母子を撮影しピュリツァー賞を受賞した「安全への逃避」(65年撮影)をはじめ、戦場の悲惨さを生々しく伝える114点を展示している。31日まで。

 写真はいずれも廣部和夫さん(69)=鯖江市、青森市出身=が遺族から管理を託されたもの。作品の存在を知ってもらうとともに、子どもたちに戦争の恐ろしさと平和の尊さを考える機会にしてもらおうと、市と市教委が企画した。

 澤田は通信社特派員として65年にベトナムに渡り従軍取材をした。70年にカンボジアで襲撃され死亡するまでの間、撮影した写真は世界的な評価を集めた。同展では「安全への逃避」のほか、兵士の遺体が戦車で引きずられる様子を捉え衝撃を与えた「泥まみれの死」(66年撮影、第10回世界報道写真コンテスト1位)など代表作を大型パネルで紹介している。

 このほか、死体の前でぼうぜんと座り込む兵士や、恐怖に震える少年の表情などを捉えた写真が並ぶ。戦争の残酷さとともに、その陰で必死に生き抜こうとする人々の姿をありのままに写している。訪れた人たちは、1点1点を食い入るように見つめている。
 
 小学生の子ども2人と訪れた鯖江市の瀬戸訓子さん(39)は「思った以上に衝撃だった。戦争は子どもたちがいつか向き合って考えないといけないもの。いい機会になった」と感想を語った。丹羽陽祐学芸員は「命の観点から一連の写真を見ていただきたい」と話している。

 午前9時〜午後5時。無料。月曜日と11日休館。
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