南砺市利賀村の上村(うえむら)獅子方若連中が16日、東日本大震災被災地の岩手県大船渡市の「三陸港まつり」で伝統の獅子舞を披露する。過疎化の中、出身者の協力で担い手を確保しながら伝承してきた獅子舞が、復興支援に一役買う。11日夜、地元公民館で最後の練習をした。 (南砺総局長・宮田求)

 利賀地域中心部にある上村集落の獅子舞は5月の春祭りで披露され、幕末以来157年の伝統を持つ。幕の中に11人が入り、激しく左右や前後に動き、勇壮な雰囲気を漂わせる。

 旧利賀村での公演を通じてこの獅子舞の魅力に着目した民族歌舞団、荒馬座(東京)から依頼を受け、東日本大震災発生直後の2011年10月には、被災地の茨城県日立市の郷土芸能大祭に出演。今回も荒馬座の元メンバーに頼まれ、「三陸港まつり」に登場し、再び復興支援に貢献することになった。

 舞台となる岩手県大船渡市は津波の被害を受けた地。港まつりは今回、震災後初めて、元々の会場の港で開催できるようになった。そうした節目に立ち会えることにも若連中は縁を感じ、大将の上野涼さん(35)は「自分たちができる復興支援として、全力で獅子舞をやりたい」と意気込む。11日は太鼓や笛を響かせながら、獅子頭やなぎなたを手に、きびきびとした動作を見せていた。

 利賀地域の過疎化を反映し、若連中メンバー25人のうち上野さんを含む20人近くが、就職などを機に転出した人で占める。祭りやイベント出演に向けた練習が、地域とのつながりを維持する場にもなっており、メンバーは伝承の意義深さもあらためて胸に刻んでいる。

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