着物に緻密な模様を染めるための「伊勢型紙」の展示会が8月24日まで、福井県越前市の卯立(うだつ)の工芸館で開かれている。和紙を重ねて精巧な彫りを重ねた型紙と、染め付け後の生地が一緒に展示され、日本の着物の美しさを支える職人の技と心意気が伝わってくる。8、9の両日には同館で職人による実演や体験も行われる。

 三重県鈴鹿市に伝わる伊勢型紙には千年以上の歴史があるとされ、職人たちでつくる技術保存会は1993年に国の重要無形文化財保持団体に認定された。型紙の基になる「地紙」に同館の職人が手漉きする越前和紙が昨年採用されたことを機に、同館が型紙30点を展示して産地間の交流を深めている。

 伊勢型紙の技法は▽錐彫り▽突彫り▽道具彫り▽縞彫り―の4種類。針のような刃先の彫刻刀を駆使し、細かな曲線や折れ線を無数に組み合わせて桜や菊などの図柄を表現。幅3センチの間に二十数本の直線を彫る縞彫りは、単調に見えてわずかなずれが図柄を狂わせてしまうため、高い技術と精神力が求められるという。

 実際に職人が使っている彫刻刀などの道具類も展示。型紙から作られた江戸小紋の着物も並ぶ。

 実演は8日は午後1時から、9日は午前10時と午後1時から。新型コロナウイルス対策を施して行う。型紙彫りの技術でしおりを作る体験(1枚500円)もある。問い合わせは同館=電話0778(43)7800。
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