金沢城公園で昨年に続いて外来種のカメムシ「シタベニハゴロモ」が確認され、石川県金沢城・兼六園管理事務所が駆除を進めている。2009年から県内で生息域を広げており、同公園では昨年初めて見つかっていた。シタベニハゴロモが吸った場所から樹液がしたたって、来園者に当たる恐れもある。職員は「来園者に迷惑を掛けたくないが、捕獲が追いつかない」と対応に苦慮している。
 県ふれあい昆虫館(白山市)と県自然史資料館(金沢市)によると、中国や韓国、インドなどに広く分布するシタベニハゴロモは09年に小松市で国内初の定着が確認された。現在までに能美や加賀、白山、金沢、かほくの5市、内灘町でも見つかっている。広葉樹のシンジュやセンダンの樹液を吸って木を枯らすほか、排せつ物が周辺の植物にかかると葉が黒ずむスス病を発生させるという。
 金沢城公園では昨夏、三十間長屋の前にある複数本のシンジュで初めて見つかった。今年も8月に入ってから姿が目立つようになり、管理事務所の職員がハエたたきを使って地道に駆除を進めている。今月5日には植え込みの奥部で殺虫剤を試験的に散布し、効果を調べている。
 管理事務所によると、園内には約40本のシンジュがあり、4分の1が三十間長屋付近に植えられている。現時点で木々の枯死やスス病の発生は確認されていないが、多い時は1本のシンジュに数十匹の個体が付着。あふれた樹液がスズメバチを呼び寄せることもある。
 自然史資料館の嶋田敬介学芸員(36)は、金沢城公園内で今年見られる個体は、昨年産み付けられた卵がふ化して成虫になったとみる。「今後も続くようなら定着になる。早めの対策が必要」と警戒を呼び掛けた。
 毎朝、運動のため公園を訪れる西川正一さん(91)=金沢市=は「色が不気味。金沢城は県の顔なので、木々がやられると地元住民として困る」と心配した。
 管理事務所の藤村秀人所長(59)は「有効策がまだなく、苦労している。ただ、来園者に影響が出ないよう対応したい」と話した。

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