福井県福井市出身の書家、浜野龍峰さん(60)の書展「寶−日本から海を渡った人びと」(福井新聞社後援)が、市美術館で開かれている。浜野さんの還暦や海外活動が20年を迎えたことを記念して開かれた。ハワイやペルーに移り住んだ日本人の名前を書いた作品など43点を出品。11月1日まで。

 ハワイの日系人約千人の名字を、縦3メートル、横2メートルの布24枚に力強い筆遣いで書いた作品は、移民に薄れつつある日本人としての証を残そうとしたもの。浜野さんは2000年ごろからハワイや南米で書道のワークショップを開催。そこで日系人が代を重ねるにつれ、日本語や漢字を忘れてきている現状を知ったのが制作のきっかけという。

 また「長恨歌」全840文字を243に分け印に刻み押印した作品は7年前から「人を愛することの美しさを作品にしたい」と取り組み始めたもの。今年春に完成し今回が初披露となった。

 「身一つで活動してきた私を生かしてくれたご縁や人々に感謝したい」という浜野さん。「作品を見て、人を慈しんだり、心を込めて書くことを思い出してもらえれば」と話していた。
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