福井きっての写真家、水谷内健次さん(77)の歩みをたどる福井県立美術館の企画展「写真家 水谷内健次の軌跡」(福井新聞社後援)に合わせ、水谷内さんと学芸員の対談が4月25日、福井市の同美術館で行われ、撮影にまつわるエピソードが語られた。

 展示写真から抜粋した130枚を順に投影し、水谷内さんと総括学芸員が対談した。

 原発が立地した若狭を撮り続けた昭和40〜50年代を「風景だけでなく、原発と共にある暮らしも様変わりした」と述懐。長年被写体にしている越前海岸は「海鳥の数が減った」と語り、撮影が社会の変遷の記録につながったとした。

 集落の火葬場「さんまい」の写真シリーズ「金歯風(きんばかぜ)」は昭和50年代、個展会場を持たずに人づたいに作品が渡り歩く「廻(まわ)し個展」で各地を巡ったエピソードも紹介された。

 名だたる文化人から信頼を寄せられ、活躍の姿を撮ってきた水谷内さん。「先生」と慕った作家の水上勉さんや、現代美術作家の靉嘔(あいおう)さんとの公私にわたる逸話も披露された。

 今後の抱負を聞かれ「福井を離れたら僕が僕でなくなる。古里で大好きな写真を撮り続けるよ」と元気なところを見せていた。

 5月16日には座談会がある。軌跡展は同30日まで。
【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】