福井との県境にある岐阜県郡上市の石徹白(いとしろ)集落で受け継がれてきた「越前シャツ」を紹介する企画展が9月18日、福井県鯖江市河和田町のショップ「SAVA!STORE」で始まった。各パーツを直線で裁断して布を無駄なく使い、動きやすさと着心地の良さも追求した先人の知恵を、現代に取り入れていくことを提案している。26日まで。

 越前シャツは石徹白集落のお年寄りから作り方を教わり、現代風にリデザインしている石徹白洋品店(岐阜県郡上市白鳥町石徹白)が手掛けている。企画展は鯖江市のデザイン事務所「TSUGI」と共同で開いた。

 前後の身頃や袖、襟など全てのパーツを直線裁断、直線縫いで作る越前シャツ。戦後、石徹白集落に洋服が伝わると、和服用の細幅の反物を利用し作り始めた。前面や背面に継ぎ目があるのが特徴で、三角形の襠(まち)をつけた脇はゆったりとしている。

 石徹白集落はかつて旧和泉村(現大野市)に属し、福井方面から布を仕入れていた。このため越前シャツと呼ばれるようになったといわれる。石徹白洋品店は作り方を受け継ぎ、麻や綿などの素材感を生かしたり、丈を長くしたりして現代に合う形にしている。

 企画展では越前シャツ以外にも、「たつけ」「かるさん」など石徹白の伝統衣類を展示販売している。染料は藍やスギの葉、ヨモギなど、全て石徹白に自生する植物が使われている。

 TSUGIの男性は「サスティナブルが求められる今、大量生産・大量消費社会を見つめ直し、これからのものづくりの在り方を感じてもらえたら」と話している。

 21、22日は定休。
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