福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館が10月1日、福井市安波賀中島町に開館した。50年超の発掘調査の成果を収め、遺跡の価値と魅力を発信する拠点で、2024年春の北陸新幹線県内開業に向け新たな観光名所として期待がかかる。初日は県内外から訪れた大勢の観光客や家族連れでにぎわった。

 朝倉氏遺跡は全国で唯一、戦国期の城下町跡がそのまま残る日本最大の中世都市遺跡として国の特別史跡に指定されている。展示の目玉は▽5代当主朝倉義景の居館の一部を原寸再現した「朝倉館」▽城下町を30分の1スケールで再現した「巨大ジオラマ」▽発掘された川湊(みなと)の一部を露出展示した「石敷遺構展示」。約170万点の出土資料の中から、国重要文化財(重文)をはじめ厳選した約800点も並ぶ。

 この日は、午後1時の開館時間前から入り口前に約100人の行列ができ、急きょ開館を10分早めた。来館者は、黄金の「獅子目貫(めぬき)」といった重文や、城下町を支えた職人たちの営みが分かる出土品などをじっくりと眺めながら、栄華を誇った戦国期の一乗谷に思いをはせていた。

 開館前には記念式典が開かれ、杉本達治知事ら約160人が祝った。遺跡の初期の発掘調査に携わった小野正敏特別館長は「全国の歴史好き、観光客、研究者の交流空間となるような施設にしていきたい。何度も訪れてほしい」と呼びかけた。
【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】