経営再建のため今春に事業承継した本江酒造(魚津市本江新町)が5日、今年初のこうじ造りを行い、新体制で本格的に醸造を始めた。蔵内はこうじ室(むろ)を新設するなど全面的に改装し、新たな造り手も迎えるなど、ハードとソフトの両面を充実。市内唯一の酒蔵をPRするため、12月には「魚津酒造」に改称し、初しぼりの新酒を出荷する。新たな目標に向け、この日は5人の蔵人らが作業に精を出した。

 本江酒造は1925年創業で、「北洋」が看板銘柄として知られる。売り上げの減少に伴い10年連続で赤字が続いたため、酒蔵再建を手がける日本酒キャピタル(東京)に事業承継することを決め、今年3月に傘下に入った。新社長には全国で酒蔵の立て直しに実績のある同社の田中文悟代表が就任した。

 新体制では酒質改善やブランド整理、販路拡大などに取り組み、3年後の売上高を現在の4倍に当たる1億2千万円に引き上げる目標を掲げる。4月以降は蔵設備を大幅に改修。製造責任者の杜氏(とうじ)には県内外での豊富な経験を持つ坂本克己さんが就いた。

 この日は県産酒米「雄山錦」を蒸し上げ、真新しいこうじ室へ運んだ。田中社長や坂本杜氏らが床に広げ、こうじ菌を振りかけて手早くもみ込んだ。数日で出来上がるこうじを使い、初しぼりの仕込みを進める。

 12月1日に発売する新酒は、純米吟醸の県内限定銘柄「蜃気楼の見える街」として約2千本(720ミリリットル)を出荷予定。田中社長は「蔵の香りも変わり、新たな気持ちで仕込める。自信を持って出せるお酒を造りたい」と話した。

 発売前に、先行試飲会を11月27日午後2時から長岡酒店(同市三田)で開く。要予約で会費1500円。申し込みは同店、電話0765(24)8699。交流サイト(SNS)でも対応する。
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