廃棄されるわかめを使って、ウニの養殖をしている呉市の生産者がいます。養殖をはじめて3年、待望の初水揚げが行われました。

いけすから2人がかりで網を引き揚げると大きくなったアカウニが姿を見せました。

ウニの水揚げ

生産者の沖田和博(おきた・かずひろ)さんは「やっと水揚げ。うまく育っている」と嬉しそう。

生産者の沖田さん

アカウニは九州地方などに生息し、瀬戸内海でも水深の深い場所には生息しているそうです。

実入りが悪いといった理由で漁は行われていませんでしたが、沖田さんが3年前から養殖をはじめ、今年、待望の水揚げとなりました。

アカウニ

「試験の段階は終了、これからは実際に売れるように良いものを作っていきたい」と話す沖田さん。

選別する沖田さん

初日の水揚げは少なめの35個。加工場へ運び、1つずつ殻を割っていきます。スプーンでかき出すと黄金色に輝くウニが出てきました。

沖田さんも「殻の小さいものもあるが、その割にはしっかり身が入っていて良かった」とほっとした表情を浮かべます。

殻から出したウニ

沖田さんがウニ養殖を始めたのは、夏に収入を得るためと、間引きなどで出る年間1t以上の廃棄わかめの活用がきっかけでした。

廃棄わかめは、肥料などへの活用も模索しましたが、よい成果が得られず、県の職員から「ウニは夏が旬、ウニ養殖がいいのではないか」と言われ始めたそうです。

廃棄されるワカメ

早速、他県からウニの種苗を購入し、廃棄わかめをエサに試験養殖を開始。しかし、ほとんどダメにしたことも・・・。一筋縄ではいきませんでした。

いけすにワカメを入れる沖田さん

1日に自分の体重ほどのわかめを食べるというアカウニ。沖田さんはエサの量などを研究し、2年間で約4倍の大きさにすることに成功。

廃棄わかめを使うことで、ウニのエサ代も、わかめの廃棄費用もゼロになったそうです。「廃棄するわかめも海の宝、有効活用したかった」と振り返ります。

ワカメを食べるアカウニ

 

ウニを殻から出す沖田さん

海水で洗ったウニは50gずつパックに詰めていきます。水揚げした35個のウニも商品にすると5パック分。そう多くはとれません。

パック詰めされるウニ

早速、近くの活魚・小料理の店「たかはし」に届けられました。店主の高橋さんは、沖田さんのウニを期間限定で提供する予定とのこと。試食してみると、とてもおいしい!と高評価でした。

ウニを試食する店主の高橋健二さん

ようやく本格出荷にこぎ着けた沖田さん。今シーズンは千個の水揚げを予定しています。

さらに来年に向けて別の種類のウニの養殖を始めていました。沖田さんは「アカウニとクロウニは旬が違うので、違う時期に出荷出来るのではないか」と期待しています。

クロウニ

廃棄わかめから生まれた地産地消のウニ。来シーズンは出荷量を4倍に増やし、将来的には地域の特産品を目指します。

初出荷された「安芸灘生ウニ」

 

 

広島ホームテレビ『5up!』
地球派宣言コーナー(2022年8月3日放送)