島根県との県境にある大万木山には、5月にしか見られない貴重な花が自生しています。その中には、ガラスのように透明になる神秘的な花も…。

案内してくれるのは、アマチュアカメラマンの菅昭和さん。30年間、県北の植物や動物を撮影しています。

 

大万木山(庄原市高野町)

 

アマチュアカメラマン 菅昭和さん

 

今回の目的は、渓谷から水がしみ出る沢をめぐり、この時期にしか見られない貴重な花を探します。森の中で見つけたのは「ユキザサ」。雪のような白い花を咲かせ、笹の葉に似ていることから名前がつきました。

 

ユキザサ

 

ユキザサの花

 

日陰の湿った場所を好んで自生する花です。さらに、渓流沿いの岩の上に「ヒメレンゲ」の群生を発見。星を散りばめたような黄色の花が初夏の渓谷を彩ります。

 

ヒメレンゲ

 

ヒメレンゲの花

 

水辺を好む花の中には、貴重な花もあります。実が長いことから名前がついた「ナガミノツルケマン」は、絶滅が危惧されている植物です。5月中旬には、黄色い花と実を同時に見ることができました。滝のそばなどに自生しています。

 

ナガミノツルケマン

 

ナガミノツルケマンの花と実

 

大万木山に自生する初夏の花の中で、多くの登山客が開花に合わせて訪れる不思議な花があります。その花とは「サンカヨウ」。小さな白い花には、珍しい特徴があり、雨や朝露で濡れるとガラスのように透き通った姿に変化します。今年は、ゴールデンウィーク頃に見頃を迎え、これからは実を楽しむことができます。

 

サンカヨウ

 

サンカヨウの花

 

サンカヨウが雨に濡れると…

 

サンカヨウが雨に濡れると…

大万木山には、緑豊かなブナ林が広がり水辺には初夏の花が数多く自生していました。案内して下さったアマチュアカメラマンの菅さんは「貴重な花が自生しているので、山野草をいじめないで、そっと見守るように見て欲しい」と最後に語りました。

 

菅昭和さん

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2023年5月24日放送)