「北広島町を元気にしたい」という思いで、さまざまなことに挑戦をしている人がいます。
それが、細山力生(りきお)さん。
波瀾万丈な人生を歩む細山さんの“地域への恩返し”を取材しました。

 

【細山さんの挑戦】

細山さんは北広島町を中心に、コンビニエンスストアを6店舗経営する会社の社長。

細山さんに会いに行くと、そこには大量のサツマイモが…。

 

サツマイモが大量にある倉庫で作業をする細山さん

 

話を聞くと、サツマイモの生産にもチャレンジしているそう。サツマイモ作りは、細山さんを含め6人ほどのチームでやっているそうですが、全員が農業未経験者。

それでも、去年は10トンほどの収穫量があったそうです。

 

わさ〜る産直館

 

さらに、細山さんは北広島町にある「わさ〜る産直館」の館長をボランティアで引き受けています。赤字続きだったこの産直館の運営を任されたことが、農業にチャレンジするきっかけになったんだとか。

 

「高齢で農業ができなくなる農家さんがいたりして。ある日、家の前を通ったら畑が草でボーボーになっていて、それを見て、すごく悲しくなって。何かできないかと考えて、自分でやってみようかなと」

 

サツマイモを作ることにしたのは、「放っておいてもできるかなと思ったので(笑)」と話す細山さん。
人とのつながりを持ち続けておきたいという思いから、畑はあえて買わずに借りているそう。

 

荒れた畑を再生するため、耕作機械などの導入でおよそ2,000万円の費用がかかったんだとか

 

意気揚々とサツマイモ作りをスタートさせた細山さんチーム。しかし、やはり農業未経験者たちの集まり。
作業中にトラクターのエンジンが焼き付いたり、土に埋まっていた大きな石で機械が壊れたりなど、さまざまなトラブルやアクシデントが。さらに、去年収穫したサツマイモは、温度管理に失敗してすべて腐ってしまったそう…。

 

サツマイモが全滅したときは「涙が出た」

 

去年の失敗を繰り返さないために、今年は貯蔵温度と湿度をしっかりと管理しています。

 

【父が失踪…波瀾万丈な人生】

新しいことに挑戦し、失敗を重ねても「やると決めたら自分の選択を正解にするのが社長の仕事」と前を向く細山さん。
そのバイタリティーは、これまでの人生にあったよう。

「自分が20歳のときに、父がいなくなったんですよ」

なんと、父親が2億円の借金を残し失踪。その後、大学を中退することとなった細山さん。父の跡を継ぐ形で社長に就任することになりました。

 

「笑顔と元気だけでやってきたようなものだ」

 

コンビニ経営に奮闘し、7年かけてようやく業績も上向きになってきたところで更なる試練が。
「ちょうど3店舗目を出したときにめっちゃ上手くいったんですよ。それで調子に乗ったんでしょうね。ビットコイン詐欺にあい、大金を失ってしまったんです」

 

そんなどん底の細山さんを救ったのが、経営するコンビニに来たお客さんの言葉でした。
「『アンタの笑顔でいつも元気をもらっとるんじゃ』と言われたときに、自分ばっかり良ければいいという考えから、恩返しをする生き方に変えんといけんと思った」

 

地域に恩返しをすると決意

 

【心の強さの秘訣】

地域への恩返しの一環であるサツマイモ作り。そのサツマイモをお菓子などに利用できるよう加工する事業にも挑戦しています。

 

北広島町の和菓子店と協力して、サツマイモのペーストを試作中

 

さらに、収穫したサツマイモの一部を、山口県の酒造にお願いをして芋焼酎にしてもらうなど販路を広げています。

 

芋焼酎 呑む力(720ml・2,420円)

 

最後に、細山さんに“心の強さ”の秘訣を聞きました。

 

「人のせいにしない。自分ならどうするか?という精神でやっています。
苦い経験から立ち直らせてもらったり、今この立場にいれるのはお客さんやスタッフ、応援してくれるみんなのおかげなんで、その人たちにいかに恩返しできるかが、ボクの人生だと思っています」

 

細山さんのこれまで。まさに波瀾万丈!

 

広島ホームテレビ『ピタニュー』(2023年11月21日放送)

ライター:神原知里