日本でも世界でも大ヒットを記録した「愛の不時着」(2019年)で、北朝鮮に不時着してしまった韓国の財閥令嬢を演じたソン・イェジン。ヒョンビンが演じる北の兵士と恋に落ちていくという物語だが、現実でもヒョンビンとの熱愛が話題になった。今年の3月に結婚し、6月には自身のInstagramを通じて第1子妊娠を発表、12月に出産予定だ。

母になるイェジンが、かつて母親役を演じた映画が「荊棘の秘密」(2016年)。この作品は「オールド・ボーイ」(2003年)で知られ、最新作「Decision to Leave(英題)」もカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した巨匠パク・チャヌクが、その才能に惚れ込んだ弟子的存在の女性監督イ・ギョンミによる1作だ。

母親の心の揺れをエモーショナルに表現した「荊棘の秘密」
母親の心の揺れをエモーショナルに表現した「荊棘の秘密」

(C)2016 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

初のタッグとなった「ミスにんじん」(2008年)に引き続き、チャヌクが共同脚本を手がけており、突如として姿を消した娘を母親が捜索していくダークなテイストで描いたサスペンス。国会議員に立候補した新人政治家ジョンチャンが選挙を控えたある日、高校生の娘が失踪してしまう。娘の安否を心配する妻・ヨノンだが、ジョンチャンは選挙しか頭になく、周囲の人々もまともに取り合ってくれない。そんな状況に痺れを切らし、親友や担任教師から話を聞くなど、一人で捜索を始めるヨノンだったが、思いがけない衝撃的な事実に突き当たり...。

「荊棘の秘密」
「荊棘の秘密」

(C)2016 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

ヨノン役のイェジンは、失踪に対する不安や娘を見つけ出すという執念、さらに周囲への失望や疑念など母親の心の揺れ動きをエモーショナルに表現。不安の涙で濡れながらも怒りに満ちた眼差しを向けるなど、相反するような感情を一度に表す表情は圧巻だ。

冷たい夫に対して怒りをぶつける迫力のある口ぶり、危機に巻き込まれながらも真相を探る意志を感じさせる顔つき、ある事実に心が壊れてしまったかのような無表情...。ヨノンの心情の変化を丁寧かつ大胆に救いとった熱演は、シーンごとに別人かと思うほど劇的だ。

「私の頭の中の消しゴム」(2004年)や「四月の雪」(2005年)など、どこかはかなげなイメージが定着していたイェジンの新境地となった本作。そんな彼女が映画のラストで浮かべる表情とは...。母親の深い愛を体現した狂気的とも呼べる演技に目が釘づけにされてしまう。

文=HOMINIS編集部

放送情報

荊棘の秘密
放送日時:2022年11月22日(火)19:15〜
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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