1989年に結成されたアイドルグループ「ribbon」のメンバーとして活躍し、現在は実力派女優として数多くの映画やドラマに出演している永作博美。2011年には映画「八日目の蝉」で第35回日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞ほか、複数の映画賞で賞を受賞するなど演技力の高さには定評があり、今年10月から放送されているNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」にも頑張り屋の母親役として出演し、高い評価を得ている。

そんな永作博美が「魔性の女」を演じたことで話題になったのが、2008年に放送されたドラマ「四つの嘘」だ。原作はラブストーリーの名手といわれる大石静の小説で、ドラマの脚本も本人が担当。永作が演じる主人公の原詩文は男を惑わせる魔性の女であり、女手ひとつで娘を育てる母親でもあった。

永作博美、寺島しのぶ、高島礼子が演じるアラフォー女性3人の恋愛模様を描く
永作博美、寺島しのぶ、高島礼子が演じるアラフォー女性3人の恋愛模様を描く

(C)テレビ朝日・共同テレビ

物語は、カナダのバンクーバーで起こった不慮の事故から始まる。この事故で詩文の元夫である河野圭史と、詩文の高校の同級生である戸倉美波が命を落とした。これがきっかけで同級生の西尾満希子(寺島しのぶ)、灰谷ネリ(高島礼子)、そして詩文のアラフォー3人が再会し、それぞれの恋愛模様が描かれてゆく。

物語当初の詩文は年下のボクサー・勝地涼演じる安城英児と付き合っている。安アパートの部屋でのやり取りで英児を翻弄したり、布団の上で睦まじく絡み合う様はまさに小悪魔であり、魔性の女。英児に向かって「私から離れたら破滅するから」と言い放った後の笑顔には、心惹かれる魅力がある。

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一方で、母親としてはしっかりしていて、娘の冬子(松山愛里)のために、離婚した圭史の母と養育費の話をする時の目力は息を飲むほど。カップ焼きそばをかきこみながら友達のように冬子と語らうシーンもあれば、自分の思いが届かない時には娘に怒ったりもする。魔性の女と母親を同時に演じても違和感がないのは、永作の持ち味が活きていると同時に、その演技力の高さによるものと言えるだろう。

詩文が1人でいるシーンでは、特に永作の演技力が発揮される。英児が試合で倒れて病院に運ばれ、椅子に座り1人待つ時の呆然とした寂しげな表情には、不安と英児への思いが押し寄せている様子が伝わってくる。入院している英児のことや、突如持ち上がった冬子の養子の話などさまざまな出来事が重なった時に、くすんだ和室で布団を敷きながら1人涙を流すシーンは見ていて切なくなるほどだ。

(C)テレビ朝日・共同テレビ

しかし、何があってもカラっとしていて、自分の思い、自分の生き方を貫く詩文の姿、それを演じ切る永作の力量には驚嘆するほかない。

詩文の物語が紡がれると同時に、仏壇屋で主婦として平凡な生活を送っていた満希子や、才能ある外科医だが男っ気のないネリの恋模様も描かれる。満希子は息子の家庭教師に言い寄られ、ネリは詩文の恋人だった英児を通じて男というものを知る。そして詩文がそこに絡み合い、大きな事件に巻き込まれつつも、最後は皆が今までとは少し違った人生を歩んでいく。

永作博美をはじめ、寺島しのぶ、高島礼子ら実力派の女優陣によって、時にシリアスに、時にコミカルにアラフォー女性たちの生き様を描き出すドラマ「四つの嘘」。物語の展開はもちろん、彼女たちの演技をじっくり味わいながら楽しんでほしい。

文=堀慎二郎

放送情報

四つの噓
放送日時:2022年12月4日(日)21:55〜
チャンネル:テレ朝チャンネル2
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

永作博美の放送情報はスカパー!公式サイトへ