寺島進が型破りな刑事を演じた人気ドラマ「再捜査刑事・片岡悠介」(2010年)。寺島進と言えば、映画「ソナチネ」(1991年)をはじめ、北野武作品では欠かせない個性派俳優。ハードボイルドな役柄はもちろん、チャーミングな役どころでもその輝きを見せてくれる。多くの作品に出演してきた彼の、土曜ワイド劇場初主演作品が「再捜査刑事・片岡悠介」。時効寸前の殺人事件を追う警視庁捜査一課・第二特殊班の刑事・片岡悠介(寺島)は、高い推理力と洞察力で事件を解決してきた敏腕だが、美女にはめっぽう弱く、すぐにデレっとしちゃうところが玉にキズ。とはいえ、犯人逮捕のためなら例え火の中水の中。熱き刑事魂で、事件の謎を暴いていく痛快ドラマだ。

未解決事件を追っていた片岡悠介は、ある日、悠介は家の近くで警視庁捜査一課の榎本香織(南果歩)と出くわす。香織は悠介の母・美知恵(吉行和子)が教師をしていた頃の教え子で、今でも美知恵を慕い片岡家に頻繫に訪れていた。香織は、1人暮らしの家具メーカー社長が自宅の玄関先で刺殺された事件を調べている最中で、これから容疑者の1人である佐久間拓也(石井正則)に会いに行くという。香織は強引に悠介も来るよう誘い、口ではぶつくさ言いながらも頼られたら嫌とは言えない性格の悠介は、同行するはめに...。

事件の推理をする寺島進
事件の推理をする寺島進

⒞レオナ企画

翌日、悠介は上司から西青梅署の新任署長・手塚高志(杉本哲太)のところへ行くよう命じられる。香織の担当事件が気になりながらも、手塚に会いに行く悠介。実は手塚は高校の同級生で、一緒に剣道で汗を流した仲。旧友の手塚は、15年前に起きた洋菓子店社長・小池健太郎(鶴田忍)殺人事件の捜査をしてほしいと悠介に告げる。時効まで10日あまりとなったその事件を解決して、どうにか実績をあげたいらしい。またしても頼まれたら断れない悠介は、相棒の浅野刑事(金子貴俊)とともに小池宅へ。聞き込みをするも、思いのほか難事件だと直感した悠介。果たして、どうやって解決に導くのか!? さらに香織の担当事件も動き出し、いよいよ悠介の刑事のカンが冴えまくる!

事件を解決していく推理的な面白さもさることながら、次々と登場する人情味あふれるキャラクターも本作の魅力。同居している母の美知恵は元中学校教師で弁が立ち、悠介は口で負けてしまうこともしばしば。何かと悠介の離婚した元妻の話をネタにやり合うシーンはほっこりする。相棒の浅野は悠介の思いつきとも取れる(悠介としては経験を基に推察しているのだが)言動に振り回されながらも名コンビだ。刑事の香織、旧友の手塚との丁々発止のセリフの応酬も秀逸で、何気ない会話から事件解決の糸口が見つかることも。意外なストーリー展開と小気味よい会話劇、そして待ち受ける衝撃の結末をとくとご覧あれ!

文=石塚ともか

放送情報

再捜査刑事・片岡悠介

放送日時:2023年5月29日(月)13:00〜

放送チャンネル:テレ朝チャンネル2

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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