長引くコロナ禍の緊急事態宣言の影響で、宣言が解除された今も多くの飲食店が倒産の危機を迎えています。

「課題は山積みですが、やっと動き出せます。これからですよ」と語るのは、札幌商工会議所観光課の渡部景太さんです。

就職を機に挑戦できる環境へ

学生時代は10年以上を野球に捧げてきたという渡部さん。野球を引退して就職するタイミングで「いろんなことに挑戦していきたい」と考え、札幌商工会議所に就職しました。

「いろんな企画に携わることができる」と思っていた矢先、コロナ禍に突入。企画していたイベントは軒並み中止になりました。「イベントをしたくてもできない」という歯がゆい日々を過ごすことになります。

飲食店を救うための施策を

そんな中、苦境に立たされている札幌の飲食店を救いたいという思いから、飛沫感染のリスクが少ないとされる1人での外食を推進するプロジェクト「ひとりめし」に携わります。

「ひとりめし」は、札幌の様々な飲食店で1人での外食特典を楽しめるスマホサービス。ソウルフードとして人気のラーメンやスープカレーをはじめ、一人で楽しめる人気のジャンルを中心に展開されています。利用者は登録料を支払うことで飲食店で楽しめるクーポンを受け取ることができます。

このようなサブスクリプション型のサービスは、札幌商工会議所では前例がない新たな挑戦。参加店舗を募るため、電話でアポを取ったり店舗へ直接赴いたりなど忙しい日々を過ごす中で、緊急事態宣言の継続でサービス開始が遅れるなど紆余曲折もありましたが、この度やっとサービスの開始にこぎつけることができました。

飲食店から喜びの声が

元々、参加店舗を募る範囲は札幌中心部のみで考えていたそうですが、「飲食店の皆様に協力をお願いしたところ、沢山の喜びの声をいただけました」と飲食店から逆に力をもらった渡部さん。

「素晴らしい取り組みだ」「もっとやってほしい」と飲食店側から多数の要望を受けておのずと登録店舗の範囲も拡大。現在は札幌市内全域に広がったそうです。

「登録店舗や利用者も、年内に2倍以上になるよう目指して頑張っています。他にも札幌を盛り上げられるようなイベントを沢山考えていて、形になりつつあります」と目を輝かせながら、力強く語りました。

札幌市は2021年10月15日に飲食店の時短営業要請が解除になりましたが、どれだけの客足が戻るかはわかりません。

渡部さんの「札幌を盛り上げる挑戦」は、まだ始まったばかりです。

翌檜(あすなろ)