香川県東かがわ市のしろとり動物園は、動物たちと間近でふれあえる距離の近さが魅力。放し飼いのウサギやクジャクがいたり、ゾウやカワウソに餌をあげられたりと、「自由すぎる動物園」として人気を博しています。

トラの飼育数日本一! 強い生き物への憧れから始まった動物園

日本一のトラの飼育頭数と出産頭数を誇ることでも知られるしろとり動物園。赤ちゃんが生まれるペースは年に1回くらいで、2021年9月11日には双子のムクとハクが生まれました。ハクは珍しいホワイトタイガーで、しろとり動物園では3年ぶりの誕生です。

両親は一般的な茶色の毛色ですが、それぞれの母親がホワイトタイガーだったため、今回は白い個体が生まれる可能性があったとのこと。現在、動物園にはハクを含めて3頭のホワイトタイガーがいます。

なぜトラの飼育で知られるようになったのか。その背景には、動物園の成り立ちがあります。創業者である現会長は、もともとサーカスの猛獣調教師でした。
「動物が大好きで、とりわけトラやライオンなど、強い生き物に魅了されていました。純粋な憧れがあったんですね。強い生き物の素晴らしさを、地域のたくさんの人に知ってほしい。そうした思いから生まれたのが、この動物園なのです」
こう語るのは、創業者の息子である副園長の松村一史さん。

こうして1989年に誕生したしろとり動物園には、猛獣を始めとした動物好きなスタッフが集まるようになりました。現在、子トラの飼育のメインは3名。リーダーを務める三宅裕子さんと、斉藤大空さん、あと一人はいろいろなスタッフに仕事を覚えてもらうためイレギュラーだそう。

ふだんの世話は、ミルクやりと獣舎の掃除がメイン。野生の環境に近づけるため、週1回は絶食日を設けています。生後3か月くらいから、ミルクの中にミンチ肉を入れた離乳食になり、半年ほどで肉のみの食事に切り替わります。

「日々世話をしていると顔を覚えてくれて、すり寄って来てくれるのはうれしい!とはいえ、スキンシップで噛んでくる時は怒ります。ダメなことはきちんと怒って教えるようにしています」と三宅さん。

いつも仲良しのムクとハク、赤ちゃんから子トラ時代は可愛さMAX!

生まれた時はわずか体長20cm、体重800g弱だったムクとハク。飼育スタッフたちの愛情を存分に受けて、スクスクと育っています。

それぞれの性格はどうなんでしょう? 2人に聞いてみました。

三宅「ハクはとにかくお転婆ですね!」

斉藤「意外とビビりなところもありますよ」

では、ムクのほうは?

三宅「ハクに負けじと頑張っているけど押され気味かな」

斉藤「とはいえ、ものおじはしない子です」

子ども時代ならではのチャームポイントとして、三宅さんが挙げてくれたのが肉球!

「ふれあい会の時に、お客様にぜひ見てほしいです」

そっと触らせてもらうと、ぷにぷにの柔らかさにとろけました。

子トラと間近で触れ合える、貴重なひととき

開園当初から、動物とのふれあいを大切にしてきたしろとり動物園。赤ちゃんトラとのふれあい会は、県内外からの客が絶えない園の名物です。
生後1か月前後から、園内の「赤ちゃんハウス」で一般公開され、その頃から有料の「抱っこ会」を開催。赤ちゃんトラを抱っこして記念写真を撮ることができます。2か月くらいになると抱っこをいやがるようになるため、開催できるのはわずか2〜3週間ほど。

その後は飼育員が子トラにミルクを飲ませている間に、隣に座って撫でたり記念撮影したりできる「ふれあいフォトタイム」を開催。こちらは生後半年くらいまで大丈夫だそう。取材日も開催されており、訪れた客は、次々とふれあいを楽しんで満面の笑顔になっていました。

フォトタイムの終了後は、園内をしばしお散歩タイム。この時は、誰もが近くで見ることができます。

抱っこ会やフォトタイムへは、以前は当日その場で参加できましたが、現在はコロナ禍の状況を鑑みて動物園のホームページからの完全予約制となっています。とはいえ、常に予約がほとんど埋まるほどの大人気!

「トラを始め、動物たちとふれあうことで感じる気持ちを大切にしてほしい。動物を可愛い!すごい!と思ってくれた子どもたちが、大きくなって生き物や生き物の環境を守る仕事についてくれたりしたら本望です」
こう語ってくれた松村さんの言葉が心に残りました。

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