2017年のエミー賞で主要部門を制したのが、女性ドラマ『ハンドメイズ・テイル(原題)』と『ビッグ・リトル・ライズ』。これはトランプ政権下で女性の声が無視され、権利が脅かされる動きへの反撃だ――という見方もできるし、ドラマ界で女性プロデューサーや監督がどんどん「作りたいものを作る」流れの展開でもあるだろう。Netflixでは『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』(’13 〜)がその流れを作ったが、Huluの『ハンドメイズ・テイル』では主演のエリザベス・モスがプロデューサーを務め、HBO『ビッグ・リトル・ライズ』ではリース・ウィザースプーンが製作総指揮に。この2作は内容も恐怖を感じる状況に置かれた女たちが、抵抗のために連帯する――という共通点がある。しかも、表現がかなりショッキング。それは「私たちは今、こう感じている!」ことを伝えようとする強い意志に思える。

 『ハンドメイズ・テイル』はマーガレット・アトウッドのディストピア小説が原作。女性が抑圧される世界観がリアルに映像化された。侍女が着る赤いローブと顔を隠す帽子は支配の象徴だが、アメリカでは女性の権利のためのプロテストで参加者が同じ格好をすることも。番組がムーヴメントにつながりつつあるのだ。同じアトウッド原作の『またの名をグレイス』は、カナダの女性制作陣がNetflixでドラマ化。19世紀の女性死刑囚の物語は、主人公が語る「人生の不条理」が、現代にも通じるテーマを発している。

 この3作品にはシビアなメッセージがあるけれど、『オレンジ・イズ〜』や女性副大統領を描く『Veep/ヴィープ』(’12 〜)のようなコメディでも、笑いの中に社会風刺があり、女性ドラマにバラエティと主張があるのが最近の傾向。見れば、自分だけで考えていたこともちょっと変わりそうだ。

SOURCE:SPUR 2018年3月号「白熱! 海外ドラまとめ」
text:Mari Hagihara