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サッカーのカタールワールドカップで、11月22日に初戦を迎えるデンマーク代表のユニフォームには、特別な意味が込められている。

ひとつは、優勝を飾った1992年ヨーロッパ選手権で着用したユニフォームのオマージュであること。 

もうひとつは、開催地のカタールが抱える人権問題に対する抗議のメッセージだ。

ロゴやラインなどが目立たないデザインにした上、ホームとアウェイの2種類に加えて“第3のユニフォーム”を発表。

チームユニフォームのサプライヤーであるヒュンメルは、ハフポスト日本版の取材に「世界的な議論を引き起こしていることはポジティブなこと」とコメントした。

大会に出場するチームや選手をサポートしつつ、開催国カタールの人権問題にどのような姿勢で向き合うのか。ヒュンメルに考えを聞いた。

代表のサポートと人権問題への抗議、どう両立する?

移民労働者の死亡やLGBTQの人たちへの対応をめぐって、開催国のカタールに批判が集まっている。

カタールの人権問題に厳しい態度で臨みながら、この地で開かれるワールドカップに出場するデンマーク代表チームや選手をサポートする。この2つをどう両立させることができるのか。

ハフポスト日本版の質問に、ヒュンメルは次のように回答した。

「スポーツの特徴である『活力、献身、チームスピリット』が私たちの歴史と成長を支えてきたように、いかなる状況にあっても、デンマーク代表を支援できると考えています。ヒュンメルのブランドミッションは、“Change the World Through Sport.”(スポーツを通して世界を変える)であり、ヒュンメルでは、長年にわたり、人権などの問題に対する意識を高めるために世界中で数多くの取り組みを実施してきました」

ヒュンメルは前回2018年のワールドカップ期間中、同性愛への偏見が根強い開催地のロシアで、ユニフォームでレインボーを掲げるキャンペーンを実施。現地のLGBTQコミュニティに連帯を示した。

こうした事例に触れながら、ヒュンメルは「今回の問題は、カタールの移民労働者の人権が侵害されていることです」と強調。

「もちろん、カタールからの批判もありますが、私たちの見解が、新たな世界的な議論を引き起こしていることを、私たちはポジティブなことだと考えています」と捉えている。

さらに、人権活動とビジネスの観点から「私たちは、お金を稼ぐことにも焦点を当てる必要がある営利団体ですが、世界にポジティブなことを行いながらビジネスを創造する、という明確なビジネス哲学を持っています。そして、商業的に上手くやればやるほど、この分野の大規模なプロジェクトが可能になります」という立場を示した。

その上で「私たちは、ヒュンメルらしいやり方で、スポーツを通して世界を少しでもポジティブな場所にしていきたいと考えています」と訴えた。