「当社会長の不適切発言についてのお詫び」

合わせて読みたい>>IAEAが報告書「国際安全基準に合致」。処理水の海洋放出後初、中国やロシア出身の専門家も参加

食材宅配サービス「オイシックス」を運営する「オイシックス・ラ・大地」(東京)の藤田和芳会長が、東京電力福島第一原発の処理水を「放射能汚染水」と表記してXに投稿し、批判が起きている。

この問題について、同社がこれまで複数回にわたり、藤田会長の同種投稿を社内で注意していたことがハフポスト日本版の取材でわかった。

藤田会長は、以前から処理水の海洋放出に反対する意見を投稿していたが、その度に「放射性汚染水」「放射能汚染水」と表記していた。

同社は2月15日、「不適切発言についてのお詫び」を発表。藤田会長の投稿は「不必要な不安を煽り、根拠のない風評被害に発展する可能性がある」として、「極めて不適切で容認できるものではない」と非難した。

経緯を振り返る

藤田会長は2月10日、Xに「本当は『放射能汚染水』なのに、マスコミはその水を『処理水』と呼んでいる」と投稿。

同12日には、「東京電力は、福島原発の放射能汚染水を海に流し始めた。今ある汚染水を海に流し終えるまで20年かかるという。その後、除去できないトリチウムを含む放射性物質を海に流し終えるまでは、さらに20年かかるという」などと発信した。

これらの投稿はX上で批判を受け、藤田会長は翌13日、「昨日、『東京電力は、福島原発の放射能汚染水を流し始めた』という投稿をしましたが、『汚染水』という表現は風評被害を拡大する恐れがありますので、『処理水』に訂正いたします」とポスト。

事態を重くみたオイシックス・ラ・大地も2月15日、「当社会長の不適切発言についてのお詫び」をウェブサイトに掲載し、「お客様や生産者様、株主の方々をはじめ、多くのみなさまに、多大なるご迷惑とご心配をおかけしてしまった」と謝罪した。

藤田会長には厳重注意したとし、後日開く懲罰委員会で何らかの処分を行う予定だという。

ハフポストの取材に担当者は

藤田会長はこの2月の投稿だけでなく、それ以前から処理水を「汚染水」と呼ぶなどしてきた。

例えば、2023年8月に「もし放射能汚染水が安全なら、海洋放出の必要はない。安全でないなら、なおさら海洋放出すべきではない」とXに投稿。同9月には「『汚染水』を『処理水』と言い替える姿勢は、プーチン大統領が『戦争ではない、特別軍事作戦だ』と言い張っているのに似ている」と自論を展開した。

オイシックス・ラ・大地は、このような藤田会長の発言について、「過去にも藤田には複数回にわたり指摘をしておりましたが 、それが不十分であり、このような事態に発展するまで厳しい対応を取りきれなかったことについて深く反省をしております」とハフポスト日本版の取材に答えた。

また、「当社は個人の思想信条を尊重しておりますが、その発言が不必要な不安を煽り風評被害に発展する可能性があるものについては一切容認するものではありません」とした。

同社の処理水の安全性に関する見解は、国際原子力機関(IAEA)の評価と同様だとし、取引している福島など東北の生産者と真摯に対話を続けていくと答えた。

オイシックス・ラ・大地を巡っては、2017年に「オイシックス」と「大地を守る会」が経営統合し、「オイシックスドット大地」が発足。翌18年に現在の会社名に商号変更された。

23年11月には、新潟アルビレックス・ベースボール・クラブと資本提携、スポンサーシップ契約を締結し、「オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」が誕生した。

なお、ハフポスト日本版は処理水の安全性について、記事「処理水とは何?汚染水と言わない理由は?危険じゃないの?福島第一原発【3分でわかる】」でまとめている。