食関連事業のコンサル業務を行い、茨城県をPRする「いばらき大使」も務めるフードアナリストの藤原浩氏(55)と県内事業者の間で金銭トラブルが相次いでいることが1日、分かった。確定判決を含め、藤原氏が被告となった訴訟は、東京地裁、同簡裁で3件あり、中には県中小企業振興公社の勧めで藤原氏に業務を委託し、トラブルに発展したケースもあった。「被害」を受けた県内事業者は少なくとも6社に上り、一部事業者は今後、「被害者の会」を設立する。

藤原氏は、日本フードアナリスト協会理事を務める食文化研究家。これまでに県の「いばらき食のアドバイザー」をはじめ、鉾田や笠間、高萩の各市でブランド向上のアドバイザーなどを務めた。現在は古河市でも同様の業務を請け負っている。テレビやラジオ番組の出演のほか、日本経済新聞「NIKKEIプラス1 何でもランキング」審査員を長年務めている。

藤原氏とのトラブルが判明したのは、小野瀬水産(筑西市)▽高橋肉店(龍ケ崎市)▽金砂郷食品(常陸太田市)▽備前堀LABの水越建一社長(水戸市)-のほか、県西地区の2社(示談済み)。

同公社が2016年度に扱った中小企業庁の事業「JAPANブランド育成支援事業」では、小野瀬水産と高橋肉店が、それぞれブランディング業務などを藤原氏に委託した。このうち、小野瀬水産は昨年10月、藤原氏を相手に損害金191万円余りの支払いを求めて東京地裁に提訴。近く判決が出される見通しだ。

訴状によると、同社は同公社の紹介で藤原氏に新商品のパッケージデザインやブランド戦略などの立案業務を200万円で委託。しかし、藤原氏は業務を行わず、委託料も返金していないという。委託料のうち85万円余りに同事業の補助金が充てられた。

また、高橋肉店は16年9月ごろ、同公社を通じて、店舗ロゴのデザイン制作やブランディング業務を藤原氏に委託し、数十万円支払ったという。

しかし、同社が藤原氏から受け取ったデザインは、沖縄県在住のデザイナーがインターネットサイトで無償配布する「フリー素材」と酷似。同社はその後、店舗ロゴを変更した。

各社とのトラブルについて、藤原氏は「今はコメントできない」などと話した。