茨城県北芸術祭で高まった機運を継続させる日立市の「ひたちの海アート事業」が、海水浴客でにぎわう同市大みか町の久慈浜海水浴場で繰り広げられている。6日までの2日間は常陸太田市に在住する県北芸術祭参加アーティストの津田翔平さんが講師を務め、使わなくなった漁網やロープを活用した作品づくり体験会を実施。海水浴で訪れていた親子連れなどが自由な発想で「日立の海」を表現した。
 津田さんによる体験会は「近くの海と遠くの海」をテーマに開かれた。6日は親子連れ計13人が参加した。普段とは異なる視点を持ってもらうために、双眼鏡と顕微鏡で海の様子や砂粒などを観察。その後、自由な発想で切り取ったさまざまな色合いと太さの網とロープを組み合わせ、直径約1メートルの円形の枠に張った網を結束バンドで取り付けた。2日間で5作品が完成した。
 海水浴に来ていた同市みかの原町の会社員、鈴村展広さん(42)は、次男の駿斗君と参加。駿斗君は「網でいろいろなものが作れて面白かった」と笑顔を見せ、鈴村さんは「こういう企画は楽しい」と話した。
 今回の体験会の狙いについて、津田さんは「完成状態が想像できない体験会をやりたかった。網で絵を描くことで、ものの捉え方を変えると面白くなると伝えたかった」と語った。
 市は本年度、昨秋の県北芸術祭の盛り上がりを途切れさせないため、フォローアップ事業を予算化。久慈浜海水浴場に、海の家のような骨組みの会場を設置し、7月21日から今月20日までの土日を中心にアート体験会を実施している。
 丸い発泡ウレタンにカラーテープを巻き付けた座布団「シーザブ」や漁網アートが飾られているほか、駐車場の西側壁面には青と白の防護ネット組み合わせた作品も展示されている。
 12、13日は漂流物アート、13日は針金アートの体験会がそれぞれ行われる予定だ。(川崎勉)