任期満了に伴う知事選は10日告示された。いずれも無所属で、7期目を目指す現職の橋本昌氏(71)、新人で元会社役員の大井川和彦氏(53)=自民、公明推薦=、新人で音大非常勤講師の鶴田真子美氏(52)=共産推薦=の3氏が立候補を届け出た。保守分裂による争いは橋本氏の5期目となる2009年の選挙以来。内閣改造後、初の大型地方選として全国からも注目される選挙となった。橋本県政6期24年の評価や多選の是非、日本原子力発電(原電)東海第2原発(東海村)の再稼働問題などを争点に、27日の投開票日に向けて17日間の舌戦がスタートした。
  橋本氏は水戸市の常磐神社で必勝祈願し、同市の水戸プラザホテルで出陣式を行った。同原発に関し「(再稼働を)認めないという方向にかじを切りたい」と、再稼働反対に踏み込む意思を表明した。企業誘致や東京五輪サッカー会場誘致などの実績を強調し、「一部の人の言いなり政治は絶対に避けなければならない。県民ファーストの県政に」と呼び掛けた。
 出陣式は5100人(同陣営発表)が出席。市町村長38人(代理含む)をはじめ、連合茨城、県建設業協会、県医師連盟などの推薦団体幹部、県議会会派の自民県政クラブの県議5人、石井章参院議員などが紹介された。選対本部長の豊田稔北茨城市長は、政権与党の自公が推薦する大井川氏を意識し「今回は茨城県対官邸の戦い」と、橋本氏への支持を訴えた。この後、市内の京成百貨店前で街頭での第一声を行った。
 大井川氏は水戸市の水戸東照宮で必勝祈願後、JR水戸駅南口に支持者3千人(同陣営発表)を集めて出陣式と街頭での第一声。「茨城を変える。24年間の延長ではいけない」と橋本氏をけん制し、経産官僚からIT企業に転じた経歴に触れ「民間の経営感覚を取り入れた新しい行政をつくる」と刷新を訴えた。
 大井川氏を擁立、推薦する自民党県連会長の梶山弘志地方創生担当相は「10年後の茨城をどうするか選択する選挙。皆と肩を組み全力で戦い抜く」と決意を示した。推薦する自民、公明の県議団や国会議員、ひたちなか、笠間両市長らが出席。午後に日立市内で開かれた出陣式に駆け付けた公明党の山口那津男代表は「茨城を変えるには新しい力が必要。担うのは大井川氏以外ない。(現職が)余力のあるうちにバトンタッチを」と強調しながら、自公結束を印象付けた。
 鶴田氏はつくば市吾妻のつくばエクスプレス(TX)つくば駅の商業施設前で出陣式。鶴田氏は「第一の目的は東海第2原発の廃炉の実現」と持論の反原発の姿勢を強調し、「全国に波及してしまった原発を、茨城で皆さんと止めたい」と力を込めた。
 鶴田氏を支持する前東海村長の村上達也氏は「東海第2を再稼働させないため、鶴田さんを当選させなければいけない」と支援を求めた。
 原発再稼働反対の主張に賛同する共産党県委員会など6政党・団体の代表者らがあいさつ。駆け付けた共産党副委員長の田村智子参院議員は「東海第2原発をどうするか、争点に押し上げたのは鶴田さん。この一点においても、鶴田さんこそ知事にふさわしい」と訴えた。鶴田氏の出陣式は、擁立する市民団体の支持者など約650人(同陣営発表)が集まった。 (知事選取材班)