興味アップへ PRや啓発イベント
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  茨城県で2度目となる世界湖沼会議が来秋に開かれる。霞ケ浦など湖沼を取り巻く環境を巡る課題解決に向け、議論や意見交換を行う。一方、環境問題を解決するには行政や研究機関だけでなく、県民一人一人の協力が欠かせず、環境への関心の高まりが期待される。 (報道部・朝倉洋)
 ■「人と湖沼の共生」 「第17回世界湖沼会議」(いばらき霞ケ浦2018)は、2018年10月15〜19日までの5日間、つくば国際会議場(つくば市竹園)をメイン会場に開かれる。
 テーマは「人と湖沼の共生〜持続可能な生態系サービスを目指して」。住民や農林漁業者、事業者、研究者、行政などが、人と湖沼が共存する社会づくりなどに向けて情報を共有し、意見を交わす。
 会期中は開会・閉会の式典をはじめ、基調講演や分科会、政策フォーラムのほか、子ども向けのイベントなど多彩なプログラムを実施。霞ケ浦流域や涸沼など湖沼沿岸の拠点施設をサテライト会場と位置付け、市民団体の活動発表など関連イベントを開いて、県民の湖沼保護への意識醸成を図る。会議全体で約4千人の参加を見込み、県環境対策課は「湖沼問題解決の新たな進展につながることを目指す」とする。
 ■成果発信 本県開催は1995年に次いで2度目。前回会議には、日本を含め79カ国1地域の研究者や行政、企業関係者のほか県民ら約8千人が参加。湖沼の環境保全を研究する世界の“頭脳”が集結し、湖沼の富栄養化のメカニズムなど「世界の新たな知見に接することができた」(同課)という。
 前回会議を機に、調査研究の拠点となる「県霞ケ浦環境科学センター」(土浦市沖宿町)整備のほか、適切な廃水処理を義務付けた霞ケ浦環境保全条例の制定や、県独自の森林湖沼環境税の導入など「霞ケ浦を中心とした水質保全に向けた取り組みが加速した」(同課)という。
 同課は「(前回会議から)20年間の確かな成果を世界に発信する機会としたい」と意義を語る。
 ■県民総参加 県は霞ケ浦などの水質保全対策について、流域の全ての関係者が役割分担しながら取り組む「流域連携」を打ち出す。同課は「湖沼の環境保全には県民総参加の取り組みが欠かせない」とし、会議を機に、県民を巻き込んだ水質浄化活動のさらなる展開や意識醸成につなげる考えだ。
 しかし、会議まで約1年2カ月と迫る中、認知度不足は否めず、機運の高まりに欠ける。プレ大会の開催や新たな団体の設立など一部で動きも見られるものの、ある市民団体メンバーは「20年前と比べて明らかに盛り上がりが少ない」と漏らす。
 会議に向け、今年3月には実行委員会を設置。現在、各専門委員会が具体的な詰めの作業を進めている。加えて、イベント開催やチラシ配布、グッズ作成といったPR活動を展開するとともに、興味関心を引く会議プログラムを検討するなどして、県民に会議への参加を呼び掛ける。今秋には会議1年前の啓発イベントのほか、本番を見据え課題を探るプレ会議なども企画しているという。
 「人は皆、自然の恩恵を受けている。会議を通して、県民一人一人が自然の大切さについて考えるきっかけにしたい」と同課。全ての県民が環境問題に対する関心を高め、「身近な問題として捉える意識付けの場」(同課)となることが期待される。
 ★世界湖沼会議 第1回(1984年)は滋賀・琵琶湖畔で開催。おおむね2年ごとに、世界の湖沼や流域の環境問題について解決策などを議論する。本県は95年に第6回目を開催し、世界79カ国1地域の約8000人が参加した。再誘致は、2015年6月の定例県議会で橋本昌知事が表明。同7月に国際湖沼環境委員会(ILEC)に応募し、同10月に決定通知を受け、18年の開催が決まった。