水戸済生会総合病院(水戸市双葉台)に勤務していた男性医師=当時(47)=が死亡したのは、長時間労働による過労が原因だったとして、遺族が病院を運営する社会福祉法人恩賜財団済生会(東京)に約2億2000万円の損害賠償を求める訴訟を水戸地裁に起こした。9日に第1回口頭弁論が開かれ、被告側は姿勢を示さなかった。
 訴状によると、男性医師は2000年4月から同病院の消化器内科に勤務。14年11月15日午後2時15分ごろ、院内のソファにうつぶせに倒れて死亡していた。死因は不詳だったが、原告側は「急性心筋梗塞か心停止」として、過重労働が原因と主張している。
 水戸労基署が16年4月、労災認定している。
 男性は通常勤務に加え月1回、午後5時〜翌午前9時の当直と、休日の午前9時〜午後5時の日直を割り当てられていた。東海村の独立行政法人に産業医として毎月数回の出張勤務のほか、病院の呼び出しに待機する「オンコール」の勤務が月5回あった。
 原告側は、男性の死亡前1カ月の時間外労働は300時間近くあり、病院側が安全配慮義務を怠ったと訴えている。同病院では午後6時以降の勤務は超過勤務表に記載する決まりだったが、実際には毎月60時間分の割増賃金しか支払われていなかった。
 同病院は「現段階ではコメントできない」としている。