従業員の育児支援 人手不足、働き方改革拍車国が2016年度にスタートした「企業主導型保育事業」の助成を受け、企業が事業所内などに保育所を開設する動きが県内で活発化している。手厚い助成に加え、企業の人手不足や働き方改革の推進などを背景に、同事業に基づく保育所設置が進み、県内では昨年11月末現在、開所予定を含む37施設(定員825人分)の助成が決定している。定員の一部を地域住民に開放する「地域枠」を設けている保育所も多く、地域の待機児童解消への貢献も期待される。 (報道部・小室雅一)
  「すき家」「ココス」など飲食チェーンを展開するゼンショーホールディングス(東京都港区)は昨年12月27日、取手市のJR取手駅前に県内3カ所目の従業員向け保育所「かがやき保育園とりで」をオープン。駅東口から徒歩1分の好立地で、運営会社の国井義郎社長は「10キロ圏内にグループ店が約20店舗ある。本社のある品川への利便性も良い」と話す。
 同社は15年9月に「同つくば」(つくば市)を土日・祝日限定で開園。16年4月から毎日の営業とし、昨年3月には「同うしく」(牛久市)をオープン。国井社長は「従業員向けの保育所があることで、働く女性が職場で継続して活躍でき、人手不足対策にもつながっている」と効果を実感。同社は石岡市、水戸市でも開園を予定している。
 ■労使にメリット 企業主導型保育事業では、保育施設の設置者は新設の場合、国から整備費用の4分の3と施設の運営費の助成が、認可保育所並みに受けられる。企業の金銭的負担が軽減される上、「保育所を併設した働きやすい職場」として人を集めやすくなり、労使ともにメリットは大きいとされる。
 複数の企業が資金を出し合い合同で開設・運営することも可能で、より多くの企業が参入しやすい仕組みとなる。定員の一部は従業員の子どもや孫だけでなく、地域の子どもを受け入れる地域枠も認められる。
 ■パターンも多様 同事業に基づき、県内で保育所設置の助成が決定したのは、大手から中小企業までさまざまで、商業施設や医療施設、社会福祉施設などの運営会社も多い。設置パターンも事業所内のほか、「大型施設型」「駅等近接型」など多様だ。
 日野自動車(東京都日野市)は昨年1月、古河工場(古河市)の全面稼働に併せ、従業員向け保育所「とんとんキッズ・こが」を定員30人でスタート。同4月には本社・工場社員を対象とした2カ所目の企業内保育所を開設した。同社人事総務部は「途中入園もできるので、職場への早期復帰が可能となり、社員にとってもメリットになっている」と説明する。
 4月に開園予定の「あいわ保育園」(結城市)は「工業団地型」の施設で、運営する電子部品・デバイス製造業のコシノテックがある工業団地内に開設。周辺企業の従業員の利用も見込み、地域枠も設ける。
 内閣府によると、昨年11月末現在で全国1768施設の助成が決定。18年度分の募集は詳細が決まり次第、事業説明会やホームページなどで周知していく。