県内を車で走ると田畑から季節が感じられる。田起こしがあちこちで行われ、水を張った田んぼはきらきらと輝き、水面に山野を映し出す▼いよいよ5月の大型連休。兼業農家にとって田植えに忙しい時期だ。農業県の本県にとって行楽よりも田植えという家庭は多い。家族総出で作業にいそしむ▼今の時季、筑波山周辺や県西地域では緑色の風景が広がる。穂を付け始めた麦畑。春風に吹かれてさわさわと穂が揺れる。6月になれば黄金色に彩られ、「麦秋」もあっという間だ。田んぼは日ごとに緑が濃くなり、黄金色とのコントラストは芸術的。美しい風景は農家の苦労の結晶ともいえる▼県内の小学校では、コメ作りを通して農業や食の大切さを子どもたちに知ってもらおうと田植えや稲刈り体験に熱心だ。農家が減少する中、貴重な機会▼自民党は党所属国会議員が田植えから稲刈りを体験する「米作りプロジェクト」を展開するそうだ。田植えを知らずして農政を語っても仕方がない、というのが理由という▼つくば市の研究機関では自動運転の田植え機開発に取り組んでおり、農機具メーカーも省力化に向け自動運転農機の開発を強化中。風景が変わるのか。農家の苦労が少しでも減ればと願う。(大)