山林火災で大きな被害を受けた大船渡市三陸町綾里地区の若者たちが、伝統の夏祭りを復活させようと奮闘しています。メンバーの中には火災で自宅を失った人も。復興への第一歩として、祭りの復活に取り組む若者たちを取材しました。

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「おはようございます。朝早くにすみません、どーも」

8日、20代後半の若者たちが綾里地区の集落を1軒1軒訪問しました。

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「今回6年ぶりに夏祭り開催するので」「ああ、寄付な」「はい、そうなんですよ」

8月に開催する地元の夏祭りの告知と寄付をお願いするためです。
地域の住民たちは、若者たちの訪問を喜んで快く寄付を渡していました。

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(住民は)
「あー、ありがたいです。頑張ってやってください。お願いします、本当に」
「良いことですねえ。うんうん。みんな火事になったり流れたっていっこなかなかそんなこともでなかったから良かったですね」

寄付集めをしていたのは27歳から29歳までの地元の若者たちで作る夏祭り実行委員会のメンバーとOBたちです。

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(木下拓実行委員長)
「寄付金もありがたいことにみなさん協力してくれまして、頑張ってくれって言ってくれる人が多かったんでありがたかったです」
(東川今さん)
「頑張ってくださいとか、応援してるよって声をいただくとより自分の中で気持ちが高まったところはすごくあります」

若者たちが復活を目指すのは、大正時代に始まった綾里夏祭りです。

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綾里地区まちづくり委員会の村上芳春委員長は、かつて夏祭りの実行委員会のメンバーでした。
25歳の若者たちが祭りの実行委員会として、寄付集めから運営までを担うのが綾里夏祭りの特徴です。

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(村上芳春さん)
「二十歳の成人はそれはそれで区切りなんでしょうけど、綾里の場合は25歳ってのがひとつの区切りなんじゃないかなっていうのがありますよね」

伝統の夏祭りは2019年に節目となる100回目を迎えました。
多くの住民が集まり、盛り上がりを見せた祭りでしたが…

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新型コロナの感染拡大により、2020年以降は中止が続きました。
そして、2024年11月から2025年の夏祭り復活に向け準備を進めてきた矢先…
2月に大船渡市で大規模な山林火災が発生。

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綾里地区は住宅が焼失するなどの大きな被害を受けました。

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(東川今さん)
「それこそ柱にはわたしの身長が歴代飾ってあって弟と」(柱の傷で)「そうなんですよ。そんなのもたぶんないだろうなと思って」

実行委員の東川今さんも火災で自宅を失った1人です。
火災鎮圧の翌日、避難指示が解除されて自宅を見に行った東川さんは失意の中でも祭りに対する強い思いを話していました。

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(東川由香さん)「今年からまたお盆にお祭りをやろうっていう話をしていた矢先だったので。でも、やり・・」
(東川今さん)「やりたい!私はやりたいと思ってるので。私1人だけでは厳しいと思いますけどみんなで力を合わせてやっていきたいなと私は個人的には思ってます。綾里を盛り上げようって」

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避難指示の解除から3か月が経ち、東川さんの自宅があった港地区では公費解体が始まりました。


(東川今さん)
「あー、でもだいぶ物も撤去されてますね」

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東川さんは今後の生活や自宅の再建などの「大変さ」を最近実感したと語ります。

(東川今さん)
「こういう現状にあってしまった人たちにも、綾里の人たちには楽しんでほしいなって思うので。それの一助に私が少なからずなれたらいいなって頑張ってます」

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東川さんは現在、仮設住宅に住みながらも祭りに向けた熱意を失わず準備に奮闘しています。

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5月28日には実行委員長の木下拓さんらと地区の集まりに顔を出し、夏祭りについて説明しました。

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(東川今さん)
「本祭りが地域の皆さまにとって楽しく心に残るひと時となりますよう、実行メンバー一同心を込めて準備を進めております」

地域の反応は上々で、後押しを受けた実行委員たちは毎週のように会議を開き、祭りで行うイベントの内容などを話し合っています。

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さらに、祭りの開催に必要な資金を補うためにクラウドファンディングも行っています。

(木下拓実行委員長)
「山林火災もあって、コロナもあって、しばらくできていないっていうこと把握してたんで5、6年ぶりに開催することを皆さん知ってて期待してくれてるんで」

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(東川今さん)
「一番の思いとしては、綾里の方たちが楽しめる場を提供したいってことが一番なので。そこに向けて頑張っていきたいと思います」

祭りを復活させて綾里に笑顔を!

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山林火災からの復興への第一歩として、住民を元気づけようとする若者たちの奮闘は、8月14日の祭り当日に向けて加速していきます。