

中医学漢方・中医美容・薬膳の専門家、藤村望さん。モットーは 「ずっと綺麗でいること」。漢方はどんなエステより、どんな高価な美容液より、最高のアンチエイジングになるのだとか。風邪予防や季節の変わり目の体調管理についてお聞きした前回に続き、今回はすぐできる簡単薬膳レシピをお伝えします!
冬の薬膳レシピ

Q. 冬に食べるとよい食材で、薬膳にもなる簡単なレシピを教えてください。
藤村さん:冬は「腎」が弱くなりがちなので、腎をケアする食材をしっかり摂りましょう。今回は、腎を強化する食べ物を使ったクッキーのレシピをご紹介しますね。主な材料はレーズンとオートミールです。レーズンは「気・血」を補い、腎の働きをよくしてくれます。 骨・足腰の強化にもなるので、美容にも役立ちますよ。 オートミールは胃腸の働きを補ってくれるので、レーズンとオートミールを一緒に食べることで、相乗効果も期待できますよ。
※漢方でいう「腎」は腎臓のほか、泌尿器や生殖器などの機能も含みます。
レーズン入りオートミールクッキーのレシピ

【材料(20枚分)】
- オートミール・・・90g
- バター・・・25g
- 砂糖・・・30g
- 卵・・・1個
- アーモンドプードル・・・30g
- レーズン・・・30g
【作り方】
1、バターをレンジで溶かす(600Wで1分)
2、オーブンを170度に予熱する
3、バターに砂糖を入れてよく混ぜる
4、3に卵を加えてさらに混ぜる
5、4にオートミール、アーモンドプードルを入れて混ぜる
6、レーズンを加えて混ぜる (ベタっとしていますが、それでOKです)
7、クッキングシートの上に、生地をスプーンで落とし、食べやすいサイズに薄く広げる
8、170度のオーブンで20分焼く
藤村さん:クッキー生地は薄くするとザクザク感が際立ちます。噛み応えのあるクッキーなので、少量でも満足感があり、ダイエットにもおすすめです。冷えが気になる人は、温かい紅茶と一緒に召し上がってください。紅茶には体を温める働きがあります。お腹をあたため胃腸の働きをよくしてくれるシナモンや、ショウガを紅茶に加えるのもよいですね。
ただしショウガには注意点があって、摂り過ぎは逆効果です。冬の乾燥ぎみの体に発汗作用のあるショウガを摂りすぎると、体の潤い分が減って乾燥を悪化させる原因にもなりかねません。ショウガを摂ると瞬間的に温かくはなりますが、温かさを持続することは難しいのです。何ごとも適量が大事ということを覚えておいてくださいね。
春の薬膳レシピ

Q.春は自律神経が乱れやすいとお聞きしました。春におすすめの薬膳レシピを教えてください。
藤村さん:春に弱りやすい臓器は「肝」。肝は気のめぐりをよくし、自律神経を整えるには、酸味や香り高い食材を取り入れるといいですよ。また、あさりやイカなども肝の働きを補ってくれます。酸味としてトマト、香り食材にセロリやバジルを使ったシーフードのトマトスープのレシピをご紹介します。
シーフードのトマトスープ

【材料(2人分)】
- シーフードミックス(あさり、イカ)・・・200g
- セロリ・・・1本
- 玉ねぎ・・・1/4個
- 水・・・100cc
- トマトの水煮缶・・・1つ
- 塩コショウ・・・適量
- バジル・・・適量
【作り方】
1、鍋にうすく油をひき、シーフードミックスを炒める
2、1センチ角に切ったセロリと玉ねぎを加えてさらに炒める
3、水とトマト缶を入れ煮こむ
4、塩コショウで味をととのえ、皿に盛り付けてバジルを散らす
藤村さん:パンを添えていただいてもよいですし、ごはんを入れてリゾット風にしてもおいしいですよ。さっぱりとした味わいで、朝食や夕食のどちらにもおすすめです。ぜひ試してみてくださいね!
藤村 望
薬剤師。東京での勤務を経て、同職の母の影響を受け漢方の専門家を目指す。国際中医師(漢方医)の資格を取得後、藤村薬局本店(長崎市)の漢方相談窓口を母から受け継ぎ、肌トラブル、不妊、不眠、神経症といったさまざまな悩みに、中医学漢方、中医美容、薬膳・食養生でケアを行っている。SNSやセミナーで忙しい毎日を送る大人女子のために“漢方できれい”を提案。生活養生の知恵を発信中。
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