まだまだいつも通りの暮らしができない今日この頃。こんな今だからこそ、おいしさだけでなく、癒しをも私たちにもたらしてくれるパンにイエモネは注目しました。このシリーズでは、ほっこり幸せな気持ちになれるパン屋をピックアップ。今回は、“大人”のジャムパン専門店「銀座 月と花」をご紹介!



旬と国産にこだわったジャムパン専門店





永く愛される老舗から気鋭の新店まで、パンの新旧が混在する銀座。パン好きならハシゴ必須ともいえるこの激戦区で、2019年のオープン以来話題を集め続けているのが「銀座 月と花」。扱うのは「ジャムパン」のみ! というジャムパン専門店です。 取材で訪れた土曜日は開店前から20人もの行列が。その人気の秘密を探ってみましょう。





「銀座 月と花」は、人気メロンパン店「浅草 花月堂」の新業態として誕生した、ジャムパン専門店。“ジャムパンは甘い”というイメージを覆すべく、果物の“酸味”に着目し、ジャムの糖度を市販のものより半分ほどに抑えているのが特徴です。 店頭には常時約15種類のジャムパンが勢揃い。年間を通して60種類以上ものパンが登場するそう。

「ジャムに使う果物は全て国産のもの。旬を大切にしたいので、通年商品は作っていません」とオーナーの結城義文さん。年間を通して出回る果物も多く、季節感を感じにくくなっている今。その時々しか味わえない果物を使ったジャムパンで、日本の季節感を楽しんでほしいといいます。





ジャムづくりでは機械を一切使わないのもこだわりのひとつ。たとえば、シャインマスカットの皮は一つ一つ手で剥き、種も丁寧に取り除くのだとか。

「果肉の大きさがあえて均一にならないよう手作業を徹底しています。大小あることで砂糖の浸透具合がそれぞれ異なり、口の中で変化を感じられるんです。フードプロセッサーを使うと均一になってしまい、味にメリハリがつけられません」(結城さん)



ありそうでなかった、フランスパンとジャムの共演





ジャムは過熱すると果物本来の香りと風味が損なわれるため、パンを焼き上げた後に“後注入”しているのもポイント。注目すべきはジャムパン定番のバターロール生地ではなく、フランスパン生地を使っていること。なぜハード生地を選んだのでしょうか?

「バターロール生地はそれだけで甘い。大人が楽しめるジャムパンには、砂糖をほとんど使わないフランスパン生地がベスト。一方で、フランスパンは皮がかたく口に残りやすいため、ジャムの口溶けの邪魔にならないよう、ふっくらと仕立てています」



結城さんは東京農業大学で発酵学を専攻し、製粉メーカーで10年間研修職として過ごしたという、いわば発酵のプロフェッショナル。酵母の動きの見極めにもその発酵への知見が生かされ、気温や湿度、天候に合わせて発酵方法を毎日微妙に変えているそう。





果物のほとんどが農家から直接仕入れているというだけあり、スーパーでは見かけない素材もちらほら。なかには「こんな果物も日本で作られているの?」と驚いてしまうアイテムも。



「単体でおいしいからといって、そのままジャムを作ってはおいしいとは限りません。たとえばブルーベリーは甘味があるものの酸味と香りは弱い。そのため酸味・香りともに強いカシスを組み合わせて、バランスよく仕上げています」

1日に作られるジャムパンはおよそ500個。開店と同時に売り切れてしまう日もあるそう。確実に購入したい場合は11時までの来店がおすすめとのことです。



それでは「銀座 月と花」人気TOP5を発表していきましょう!



人気パンランキング



5位 しろの苺(380円)





収穫数が少なく貴重な熊本産の白いちごを使った「しろの苺」。白いちごの上品な甘酸っぱさが引き立ち、みずみずしさが抜群。ゴロッとした果肉の食感も楽しく、外はパリッと、中はふわふわのフランスパン生地と見事なハーモニーを奏でます。体験したことがないくらい砂糖の甘さが抑えられていて、果物そのものを食べているかのよう。



4位 ブルーベリーと木苺(380円)





山形県産のブルーベリーと木苺を使ったジャムパン。ブルーベリーの豊かな甘さ、木苺の弾けるような酸味、ふくよかな香りが三位一体に! 口いっぱいにエレガントなフルーティー感が広がります。





ちなみにパンよりもジャムが多いのも「月と花」の特徴で、すべてのパンがジャム55%、パン45%という割合。ジャムの甘さが抑えられているがゆえ、この比率でないと味がぼやけてしまうそう。



3位 白桃(300円)





福島県産の白桃を使用した一品。袋から出したとたん、ふわっと広がる華やかな香りが印象的です。濃厚な甘味と芳醇な香りのジャムはどこまでもジューシー! サクッと歯切れのよい生地ともよくなじみ、口の中で一体感を演出してくれます。



2位 沖縄マンゴー(380円)





使うのは沖縄県産完熟マンゴーのみという贅沢なジャムパン。果肉がゴロゴロ残されたジャムは、とろっとろの濃厚な甘味。それでいて酸味も引き立ち、マンゴーならではの南国感もひとしおです。フルーティな風味が染み渡ったパンもまた絶品。



1位 シャインマスカット(380円)





堂々の1位は「シャインマスカット」。1個のパンに約10粒も使われているそう。驚くべきはそのエネルギッシュな香り! 華やかで瑞々しいアロマに心も躍ります。





シャインマスカットの皮は加熱すると苦味が出やすいため、皮付きと皮なしを半量ずつ使用。口の中で多彩な甘味や酸味、香りが響き合い、最後の一口まで重層的なおいしさが続きます。甘酸っぱいぶどうをストレートに表現した名作!



果実を食べているようなジューシー感、フランスパンとの魅惑のハーモニー。唯一無二のジャムパンを味わって、日本の旬のおいしさを感じてみませんか?



銀座 月と花
住所:東京都中央区銀座4‐10‐6
電話番号:03-6264-1300
営業時間:10:00〜完売次第閉店
定休日:無
URL:https://www.ginza-tsukitohana.com/
Instagram:@ginza_tsukitohana



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