春に旬を迎える、緑が鮮やかなさやえんどう。煮物やちらし寿司の彩りとして添えるだけでなく、サラダに加えたり、和え物やソテーなどの一品料理にしたりと、幅広いレシピに登場する便利な野菜です。ただし、おいしくいただくには、筋取りや下茹でなどの下処理が必要。この記事では、新鮮なさやえんどうの選び方や保存方法、下処理の方法などを紹介します。


【特徴】「さやえんどう」とは、えんどう豆のさやと若い実を食べるもの





さやえんどうはマメ科エンドウ属の野菜で、えんどう豆のさやと若い実を食用にするものの名称です。えんどう豆は収穫時期によって呼び名が変わるおもしろい野菜。若い芽のうちに食べる「豆苗」、若い実をさやごと食べる「さやえんどう」、完熟前の実だけ食べる「グリーンピース」と、各成長工程を味わうことができます。



えんどう豆の原産地は地中海沿岸から中近東。古代ギリシャ、ローマ時代から乾燥したえんどう豆を利用していたそうです。日本へは8世紀頃に中国から穀物として伝わったとされていますが、さやえんどうとして伝わったのは江戸時代のこと。本格的に普及したのは、明治時代に欧米から良質な品種が導入されてからです。



さやえんどうは全国でハウス栽培もされて通年流通していますが、おいしい旬は4〜6月。春の食卓にぴったりの食材です。



日本で主に流通しているさやえんどうは2種類あります。



■絹さや



さやの長さは5〜6cmで薄く、実は小さめ。シャキッとした食感とほのかな甘味が特徴です。煮物や汁物の彩り、炒め物に向いています。



■スナップえんどう



さやの長さは7〜8cmで肉厚、実はふっくらと大きめ。甘みが強く、やわらかな歯ざわりが特徴です。絹さやよりも肉厚で風味をしっかり感じるので、バター炒めや和え物、サラダなどに向いています。



【選び方】さやはハリとツヤがあり、先端のひげは白くピンとしたもの





さやは鮮やかな緑色で、ハリとツヤがあるものが新鮮。先端にひげがついている場合、茶色よりも、白くピンとしているものが新鮮です。パックの中をよく見て、傷や退色がないかも確認しましょう。



絹さやの場合は、実が膨れたものは収穫時期が過ぎている可能性があるので、薄くて実が目立たないものが良品です。



スナップえんどうの場合は、さやがふっくらとして実がしっかり詰まっているものを選びましょう。



【保存】購入日に使うのがベスト。冷蔵保存は乾燥を防いで



さやえんどうは鮮度が落ちやすいので、使う量だけ購入して早めに食べるのがベストです。冷蔵保存する場合は2〜3日が目安。乾燥に弱いので、ペーパータオルで包んでからポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。



長期保存したいときは、冷凍保存を。筋を取ってかために塩茹でし、水気を拭き取って、冷凍用保存袋に入れます。さやえんどうが重ならないようにして冷凍すれば、使う分だけ取り出しやすくなります。サラダや和え物、彩りに使うときは自然解凍してから、炒め物やスープなどに使うときは凍ったまま鍋に加えて加熱調理を。1か月を目安に使い切ってください。



【食べ方】筋取りを忘れずに。下茹では短時間で





さやえんどうを調理するときは、下処理で筋を取ると口あたりが良くなります。



絹さやは実が並んでいる側に太い筋、反対側に細い筋があります。スナップえんどうは外から実が見えませんが、ラインがまっすぐな側に太い筋、カーブしている側に細い筋があります。まずはヘタを折り、太い筋が通っている側に引いて筋を取りましょう。続いて先端からヘタに向かって反対側の筋を引いて取りましょう。



サラダや彩り、和え物や煮物などに使うときは、下茹でが必要。たっぷりのお湯に塩をひとつまみ加え、さやえんどうを入れたらふたをしないで茹でます。茹で時間は、絹さやは1分、スナップえんどうは2分が目安。茹で上がったら素早くザルに上げ、冷水にさっとさらして、水気を切ってくだい。冷水にさらすのは、色を鮮やかに仕上げるための「色止め」です。



炒め物にするときは生のままフライパンへ、卵とじにするときはだし汁で生から煮てOKです。



【栄養・効果】βカロテンが豊富な緑黄色野菜。集中力を高める効果も



さやえんどうの可食部100gあたりのエネルギーは38kcal。緑黄色野菜に分類され、βカロテン、ビタミンC、食物繊維などを豊富に含んでいます。



また、豆(実)の部分に必須アミノ酸の一種である「リジン」を多く含んでいるのも特徴的。リジンは体の成長を促進し、疲労回復や集中力を高める効果、肝機能を高める効果が期待できます。



監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。



栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。



[All Photos by shutterstock.com]