「夏至」といえば1年で最も日が長い日ですが、太陽の力が最も強まる日とされ、世界各地で夏至祭が行われています。二十四節気の「夏至」と雑節の「半夏生(はんげしょう)」には深い関係があり、タコ、焼き鯖、半夏生餅、うどんなどを食べる習わしもあります。それらの意味やいわれを、和文化研究家の三浦康子が解説します。



夏至(げし)とは



夏至は二十四節気のひとつで、「夏に至る」と書くように本格的な夏に向かっていきます。毎年6月21日〜7月7日頃にあたりますが、初日である夏至の日に、北半球では太陽が1年で最も高い位置にくるので、昼間が一番長い日になります。そのため、夏至といえば“1年で最も日が長い日”と覚えている方も多いでしょう。冬至の日と比べると、北海道の根室で約6時間半、東京では約4時間40分も長くなります。


また、夏至は1年で最も日が長くなるので、太陽の力が最も強まる日だと考え、世界各地で夏至祭が行われています。なかでもスウェーデンの夏至祭は世界的に有名です。



スウェーデンの夏至祭
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日本では三重県伊勢市の二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)で行われている夏至祭が有名で、二見浦の夫婦岩の間から昇る朝日を浴びながら禊が行われる様子が話題になります。



二見浦の夫婦岩
※画像はイメージです。夏至祭の頃の朝日とは異なります


例年は梅雨の最中ですが、夏至の期間を過ぎれば梅雨明けも間近です。二十四節気では夏至〜小暑〜大暑となって、夏本番を迎えます。


半夏生(はんげしょう)とは





半夏生は雑節(ざつせつ)のひとつで、夏至から数えて11日目。毎年7月2日頃にあたり、この時期に半夏(はんげ)という薬草が生えることから半夏生といい、田植えを終える目安とされています。



雑節というのは、中国で作られた二十四節気などとは別に、日本で生まれた季節の移り変わりの目安となる日の総称です。日本の気候風土や農作業のスケジュールに合わせて作られており、ざまざまな由来があることから雑節といいます。



夏至・半夏生の食べ物





夏至の期間に半夏生があるので、この時期、各地で豊作祈願の食べ物を食べる風習がみられます。また、麦の収穫を終える頃なので、小麦を使った食べ物を用いるところもあります。



  • 関西地方では、稲の根がタコの足のように大地にしっかり張るよう願ってタコを食べます。
  • 福井県大野市では、江戸時代、農作業の疲労回復と盆地特有の蒸し暑い夏を乗り切るために、大野藩藩主が焼き鯖を奨励したことから、「半夏生さば」と呼んで、鯖の丸焼きを食べます。
  • 奈良県や大阪府の一部では、収穫した小麦で「半夏生餅」を作り、田の神に供えて食べます。
  • 香川県では、収穫した小麦でうどんを打ち、農作業を手伝ってくれた人たちに振る舞います。(香川県製麺事業協同組合が7月2日を「うどんの日」に制定しています。)
  • 愛知県の一部では、不老長寿の実とされる無花果(いちじく)に豊作祈願の田楽に由来する田楽味噌をかけた「無花果田楽」を食べます。


豊作を願い、タコや焼き鯖、うどんなどを取り入れてみてもいいですね。また、みなさんの地域でも夏至・半夏生の食べ物があるかもしれません。地域の方に聞いてみてはいかがでしょうか。




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