保存しやすく幅広いレシピに使える玉ねぎは、家庭に欠かせない常備野菜ですよね。加熱すると甘くやわらかくなりますが、サラダなど生食するときは、独特の辛みを少しでも抑えたいもの。そこで、辛みを抑える切り方やおすすめの辛み抜きの方法を紹介します。春先に出回る新玉ねぎについても、選び方や保存方法を覚えておくと便利ですよ。


【特徴】食べる部分は根ではなく「葉」。主流は保存のきく「黄玉ねぎ」





玉ねぎはユリ科ネギ属の野菜で、原産地は中央アジアとされています。5000年以上前から栽培されていましたが、日本で本格的に栽培されるようになったのは明治時代のこと。食の洋風化に伴って普及し、高い貯蔵性が重宝され、家庭に欠かせない常備野菜となりました。



玉ねぎは見た目から「根」や「実」だと思われがちですが、じつは「葉」の一部。水分や養分を蓄えて肉厚になった葉が多数重なり、球状になっているのです。



玉ねぎは皮の色で「黄」「白」「赤」に分類されます。日本で出回っている玉ねぎの大半は、皮が黄色い「黄玉ねぎ」です。主な産地は北海道で、旬は4月と10月の年2回。貯蔵ものもあるので、1年中流通しています。



玉ねぎの品種



■新玉ねぎ



3月下旬から出回る早生種の玉ねぎ。皮は薄くて白い。辛みが少なく、やわらかくてみずみずしいので、生食がおすすめです。日持ちしないので早めに使い切りましょう。



■赤玉ねぎ(紫玉ねぎ)



皮が赤紫色の玉ねぎ。「湘南レッド」などの品種が初夏に出回ります。辛みや香りが少なく甘みが強いので、生食向き。色も鮮やかで、サラダの彩りにも使えます。



■葉玉ねぎ



春先の玉が膨らむ前の葉がやわらかい状態で収穫する、早採りの玉ねぎ。玉の部分は辛みが少ないので新玉ねぎのような調理に向きます。葉の部分は甘みと粘りがあり、長ネギのように使えます。



■小玉ねぎ



別名ペコロス。玉ねぎを密集させて育てて小型化させるものと、小さく育つ専用品種があります。一口サイズなので、皮をむいて丸ごと煮込み料理やシチューに使えます。



【選び方】先端がかたく締まり、ずっしりと重みのあるものあるもの





玉ねぎは先端部分から傷むので、先端がかたく締まっているものがおすすめ。表面の皮はしっかりと乾燥してツヤがあり、持ったときにずっしりと重みがあるものを選びましょう。



新玉ねぎも同じく、先端がかたく締まって重みのあるものが良品。表面に傷がないかも確認してください。



【保存】常温で長期保存可能。冷凍して「あめ色玉ねぎ」を作っても



玉ねぎは常温でストックできます。湿気に弱いので、風通しのよい冷暗所でネットに入れて吊るしておきましょう。ひとつずつ新聞紙やペーパータオルに包んでカゴなどに入れてもOK。1〜2か月保存可能です。



ただし、気温の高い時期は常温だと傷みやすいので、新聞紙やペーパータオルに包んで野菜室に入れてください。



カットしたものは切った面をラップで包み、野菜室で保存を。2〜3日で使い切るようにしましょう。



新玉ねぎはポリ袋に入れて野菜室で保存し、1週間を目安に使い切るようにしてください。



基本的には常温&冷蔵保存で使い切れますが、冷凍保存も可能。冷凍すると、甘みが凝縮する、火が通りやすくなるといったメリットもあります。薄切りやみじん切りなど使いやすい形状にカットしたら、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍庫へ。使うときは凍ったまま鍋に入れて加熱し、スープやカレーなどに使いましょう。



また、カレーやハンバーグなどに旨味を加える「あめ色玉ねぎ」を作りたいときは、冷凍玉ねぎを使うと時短に。サラダ油を熱したフライパンに凍ったままの冷凍玉ねぎを入れ、解凍しながら炒めていきましょう。生の玉ねぎで作ると30分くらいかかりますが、冷凍を使えば10分ほどで完成します。 



【切り方】生食では繊維を断つように切る&酢水にさらして辛み抜き





玉ねぎは加熱すると甘みが増しますが、生では辛みが強く感じられます。



サラダやサンドイッチなどの生食で辛みを抑えたいときは、切り方が重要。繊維を断ち切るように(繊維に対して垂直に)薄切りにすると、辛み成分が流れ出るので甘みを感じやすくなり、食感もやわらかくなります。



さらに辛み抜きをしたい場合は、酢水にさらす方法がおすすめです。酢(適量)を加えたたっぷりの水に、薄切りにした玉ねぎを10分程度さらしてみて。辛みは抜けて、シャキシャキ感は残ります。酢の風味が多少残りますが、ドレッシングなどで味付けすれば気になりません。



【食べ方】玉ねぎの大量消費には、まるごと1個使うレシピがおすすめ



玉ねぎを使うレシピは、カレーやシチュー、オニオンスープ、サラダ、ハンバーグ、野菜炒め、天ぷら、牛丼、親子丼など無数にあります。



ここでは、玉ねぎを大量消費したいときにおすすめの、まるごと1個を使う料理を紹介しましょう。黄玉ねぎがたくさん手に入ったとき、新玉ねぎを使い切れないときなどに、ぜひどうぞ。


■玉ねぎのレンチン蒸し



玉ねぎの上下を切り落とし、上部に十字の切り込みを入れます。耐熱容器に入れてふんわりとラップをし、600wの電子レンジで約5分加熱。やわらかくなったらお皿に盛り付け、ポン酢とかつお節、バターとしょうゆ、塩コショウとオリーブオイルとパセリなど、お好みの味付けでいただきます。1人1玉ペロッと食べられますよ。



■玉ねぎステーキ



玉ねぎを1cm程度の輪切りにし、バターかサラダ油を熱したフライパンで両面に焼き色を付けます。好みの量でしょうゆ、すりおろしニンニク、砂糖を加え、全体に煮絡めたらできあがり。ご飯のお供やお酒のおつまみにもぴったりです。



■玉ねぎドレッシング



玉ねぎ1個をみじん切りまたはすりおろし(または繊維を断ち切るようにスライサーでスライスし)、しょうゆ、酢(各大さじ4)、サラダ油、砂糖(各大さじ2)、塩(小さじ1/4)を加えてよく混ぜ合わせます。調味料はお好みで加減したり、サラダ油をオリーブオイルに置き換えたりしてOK。清潔な容器に入れれば、1週間程度保存可能です。サラダにかけるドレッシングとして使うだけでなく、肉や魚にかけたり、炒め物やパスタの味付けに使ったりとさまざまなレシピに活用できて便利ですよ。


【栄養・効果】香り成分「硫化アリル」で疲労回復&血液サラサラに



玉ねぎの可食部100gあたりのエネルギーは33kcalで、大部分は水分。糖質を多く含みますが、ビタミンやミネラルはそれほど多く含んでいません。



特筆すべき成分は、特有の香りと辛さのもとである「硫化アリル」。硫化アリルにはビタミンB1の吸収を高める作用があり、疲労回復が期待できます。また、血栓をできにくくしてサラサラにする働きもあるため、高血圧や動脈硬化の予防の効果が。硫化アリルは加熱すると消失してしまうので、これらの効果を期待するなら生食がおすすめです。



監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。



栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。



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