天使と悪魔、そしてか弱くも逞しい人間の三つ巴を様々な形で描いてきた『真・女神転生』シリーズ。勧善懲悪では収まらない物語は、自らが信じる道を突き進むこともでき、結末まで含めた道のりが忘れられない思い出となります。

また『真・女神転生』シリーズは、悪魔との会話を通して“仲魔”にする「交渉」や、より強い悪魔を生み出す「悪魔合体」など、多彩な悪魔を使いこなす刺激的なシステムの数々も特徴的です。

実に個性的な本シリーズは、ナンバリング作品のみならず数多くの派生作品を生み出す原点ともなりました。『真・女神転生 if..』や『真・女神転生デビルサマナー』、『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY』といった『真・女神転生』の名を冠するものから、ラストバイブルシリーズ、魔神転生シリーズ、ペルソナシリーズなど、その展開も多岐に渡っています。


そして、『真・女神転生』の名を背負う新たな一作が、スマートフォンという新しい舞台に登場します。iOS/Androidアプリ『D×2 真・女神転生リベレーション』は、『真・女神転生 』シリーズで生み出された特徴的なシステムを盛り込み、またオリジナル要素もふんだんに盛り込まれた、これまでにない新たな『真・女神転生』です。

シリーズファンを中心に高い注目を集めており、9月に行われた「東京ゲームショウ 2017」の試遊プレイも長蛇の列ができる人気ぶりを博した本作ですが、このたびセガ内で実施されたβテストに参加することができたので、その魅力や本作ならではのポイントなどをレポートさせていただきます。

なお、今回のプレイレポートはあくまでβテスト版を元にしており、正式サービス版とは異なる可能性がああります。その点は、あらかじめご注意ください。

◆ストーリー進行は物語+バトル! シンプルで今風な『メガテン』

「悪魔召喚プログラム」──文字通り、召喚を可能とするこのプログラムを手に入れることで、悪魔や天使を使役し、過酷な戦いに身を投じるきっかけとなることが多かった『真・女神転生』シリーズ。本作は、スマートフォンの専用アプリという形で手に入れ、世界を守護する秘密組織「リベレイターズ」の一員となります。

スマホを介して悪魔を喚ぶ、通称「デビルダウンローダー」たちの戦いを描く本作は、敵対組織「アコライツ」との激戦を描くストーリーを軸に、様々な育成要素や戦いの場などで構成されています。

各要素は密接に関係しており、悪魔を育成するには様々な手段が用意されており、そのひとつひとつを進めることで、育成に必要な材料やお金などを集めることができます。そして戦力が強化されれば、ストーリーをより進めやすくなるのは自明の理。各要素がしっかりと噛み合い、ひとつの要素を進めることが別の要素の好転へと繋がるのです。


本作のストーリーは章立てで進行し、1話ごとに物語が展開してバトルを行います。これまでの『真・女神転生』シリーズとは大きく異なり、メインストーリーを進める上でフィールドや3Dダンジョンなどはないため、スマホらしい手軽なテンポで物語を読み進めることができます。

ストーリーを進める前に、これから戦う悪魔を確認するとが可能。お馴染みの悪魔もズラリと並んでいるので、シリーズファンならばこれまでの経験を生かし、より有利な属性を持つ悪魔で固めておけば勝利への近道となることでしょう。


ネタバレになってしまうのでストーリーについては詳しく触れませんが、待ち受ける事件の数々も現代さを感じさせるものが多く、「現代的な『真・女神転生』」らしさを伺うことができました。ちなみに本作の主人公は、性別を選択できます。コードネームは後から変更できますが、性別は変更がきかないので、長く付き合える見た目を選ぶのも重要です。


なお、メインストーリーや後述のダンジョン探索など、バトルに関連するコンテンツを行う時はスタミナを消費します。ちなみにβテストの範囲では、レベルアップ毎にスタミナが回復し、その分だけで充分遊ぶことができました。少なくとも序盤は、「スタミナが少なくて全然遊べない」といった事態にはなりにくいかと思います。

◆シリーズの魅力にプラスアルファを添えた本作のバトル
■戦闘の軸となる「プレスターン」と、スキル使用に欠かせないMPについて

本作のバトルは、味方パーティと敵パーティが交互に攻撃し合うターン制を採用しており、メンバーは素早い順番で行動していきます。アクションを実行するには行動力が必要で、この行動力はパーティで共通。そして、敵の弱点を突くと行動回数が増える「プレスターン」も盛り込まれており、『真・女神転生』らしい戦闘の駆け引きを楽しめます。

敵の弱点や耐性は、当然ながら初めて遭遇した際には分かりません。各属性の攻撃を加えることで判明していき、その結果は自動的に敵の情報に記載されていきます。既に調べた相手ならば戦闘中に弱点などが表示されるので、わざわざ覚えていく必要がないのは嬉しいポイントです。また、仲魔に加えた悪魔の情報は全て開示されるので、こちらの方法もかなり有効です。


弱点を突くには、ほとんどの場合においてスキルの行使が不可欠。そしてスキルの発動には、MPが必要です。そのためMPの管理が重要なポイントとなりますが、本作は自分の番が回ってくると各悪魔のMPが3回復、という嬉しい効果も。プレスターンを発生させれば、それだけ行動回数が増え、順番も回ってきやすくなるため、攻撃だけでなくMP回復の面から見ても効果的です。

ストーリーなどで発生する戦闘は、相手が1パーティだけではなく、確認した範囲では最大3パーティと戦うことになります。1パーティ目の悪魔を全滅させると、2パーティ目が登場、といった具合です。そのため、1戦目でMPを使い切ると、回復を待ちつつ連戦しなければならないので、余力を残して立ち向かいたいものです。ちなみに、行動の順番をパスすると行動力がやや減少するものの、次の悪魔に手番を回せるので、意図的にMP回復を行うことが可能。敵を殲滅する直前に、余裕があれば順番を回してMPを回復しておくのも有効です。

■『D×2 真・女神転生 リベレーション』だからこそのポイント

上記のMP回復も、シリーズ作品の中では珍しい仕様ですが、その他にも押さえておきたいポイントがいくつかあります。まず、本作の主人公は戦闘に直接参加することはなく、攻撃を繰り出すのもダメージを受けるのも、すべて呼びだした悪魔のみ。もちろん悪魔が全滅したら、こちらの負けです。

ただし、戦闘中にアイテムを使用することができるので、ダメージを回復したり状態異常を直すなど、戦局を左右する影響を与えることが可能です。注意点としては、アイテムを使用すると行動力をひとつ消費するので、その分だけ悪魔たちの行動が減ってしまいます。


そして、バトルに手こずりそうな時は、フレンドから悪魔を借りて一時的に戦力を増強しましょう。同じフレンドからは1日1回しか借りられませんが、そのフレンドがログインすれば再度借りられるようになります。フレンドの悪魔は自動で行動し、指示を出すことができないので、その点だけ注意しておきましょう。


更に、戦闘をより自由に楽しめる要素として、「オート」と「倍速」も用意されています。「オート」を選ぶと、悪魔たちが自動で行動するので、充分な戦力がある場合はオートで気軽に突き進むのもアリでしょう。どのように行動するかは、悪魔によって違うので、意外な一面が見られる……かも? 「倍速」は、文字通りバトルの速度がスピーディになるというもの。短時間にサクっと遊びたい時には、こちらも役立ちそうです。

またビジュアル面での特徴として、敵の悪魔と順番が回ってきた悪魔の3Dモデルが同一画面に表示されているのも、ささやかながらポイントのひとつ。本作は縦長の画面を活かして仲魔も同時に表示されるので、より臨場感も高まりますし、なにより愛着のある仲魔の姿を頻繁に見られるのは嬉しい限りです。

交渉や合体から本作独自の育成要素まで、次ページで一挙ご紹介

◆戦力強化は、お馴染みの要素から独自のコンテンツまでズラリ
■「あくまをころしてへいきなの?」─悪魔と会話し“仲魔”にしよう

戦略性のあるバトルだけが、『真・女神転生』シリーズの特徴ではありません。戦闘中に発生する「悪魔との交渉」も、大事な要素のひとつ。仲魔を増やす手段であると共に、悪魔合体による更なる悪魔召喚にも関わる重要なポイントです。

もちろん本作にも「交渉」が受け継がれており、話をしたい悪魔の頭上には「TALK!」と書かれたアイコンが表示されます。このアイコンにタッチすることで、悪魔との会話に突入。会話は選択形式で行い、悪魔を喜ばす反応を返せばOKです。また、仲魔になる意志のある悪魔は、アイテムなどを要求してくることもあるので、どう対応するかはプレイヤーの判断次第。その結果が良好ならば、無事“仲魔”となります。

■「コンゴトモヨロシク」─シリーズの魅力“悪魔合体”や本作独自の要素も

仲魔が増えてきたら、新たな悪魔を生み出す「悪魔合体」を活用する頃合いです。2身合体や多身合体など、本作でも様々な悪魔合体を楽しむことができます。素材を組み合わせる方法と、結果から逆算する2通りが用意されているので、目的に合わせて使い分けましょう。


悪魔合体を行うには、素材となる悪魔に加え、マグネタイトも必要です。喚び出す悪魔のグレードが高いほど、マグネタイトが多額になるので、しっかりと貯め込んでおきたいところです。ただし、プレイヤーレベルが足りないと高位の悪魔は作れないので、その点もご注意を。


交渉や合体以外にも、アイテムと引き換えに行う「召喚」でも悪魔を手に入れることができます。召喚にはいくつかの種類があり、ジェムを消費して行う「高位召喚」は、より強力な悪魔を入手できる貴重な手段。高位召喚なら★3(グレード40)以上の悪魔が確実に手に入るので、戦力を急いで増強したい場合はこちらも視野に入れておきましょう。ちなみに筆者が「高位召喚」を行ったところ、“地母神 ペレ”がやってきてくれました。


ちなみに、全ての悪魔には「アーキタイプ」があり、「素体・荒神・加護・異能・防魔」の5タイプに振り分けられています。覚醒時に取得できるスキルに違いがあるほか、悪魔合体では素材のいずれかが「素体」でなければいけないという制約があります。そして「高位召喚」では「素体」が出現しないため、「高位召喚」した悪魔同士の2身合体は不可能。そのため、高位召喚の一辺倒では行き詰まる場合もありそうです。「交渉」も活用し、しっかりと悪魔を仲魔に加えましょう。

■“転生”“スキル継承”“覚醒”“烙印”など、多種多彩な育成要素

合体でより強い悪魔を喚び出すのも重要ですが、本作では個々の悪魔を育成する要素も多彩に用意されています。悪魔の★レアリティをアップする「転生」は、レベルMAX&生贄が必要で、LVが1に戻りますが、レベル上限が上がってパラメータも上昇。一回り強い悪魔に成長するので、お気に入りの悪魔を更に愛用したい方には見逃せない要素でしょう。

また、「スキル継承」も用意されており、同じ悪魔を生贄にすることで貯まる継承ポイントを使い、他の悪魔が持っているスキルを継承することが可能。各スキルごとに、継承に必要なポイント量が変動し、強力なスキルほど大量の継承ポイントが必要です。そのため、苦労も少なくなさそうですが、施設のキャラクター曰く「ピクシーにメギドラオンだって持たせられるんです」とのこと。シリーズファンの血が騒ぐ要素となりそうです。


このほかにも、覚醒スキルが使用可能となり、パラメータが上昇する「覚醒」や、悪魔を強化できる特殊な装備品「烙印」など、育成や戦力増強の要素は実に数多く揃っています。そのために必要な素材を手に入れるコンテンツも用意されているので、ストーリー派だけでなく、好みの悪魔をじっくり育成したいユーザーにとっても、『D×2 真・女神転生リベレーション』はしっかりとした手応えで応えてくれることでしょう。

■3Dダンジョンもあります! 全50階層の「アウラゲート」に挑め

前述の通り、メインストーリーの進行は物語の展開とバトルで構成されており、3Dダンジョンに挑むことはありません。ですが、3Dダンジョンに挑むコンテンツ「アウラゲート」はしっかりと用意されているのでご安心を。もちろん、育成した悪魔を引き連れていけますし、「アウラゲート」内の悪魔を交渉などで仲魔にすることも可能です。

このアウラゲートは、幾重にも重なった階層構造で、最初は第一層からスタート。各階層にいるボスを倒すことで、次の階層への道が開けます。今回触れた範囲では、全50階層が待ち受けているとのことなので、ここの探索だけでもたっぷり楽しめそうです。また、一度階層を突破すれば、突破した階層からスタートすることも可能。「毎回、第1層からやり直し」ということはないのでご安心ください。


ダンジョン内の移動は、画面下部に表示された移動ボタンで実行。1回移動するごとに行動ポイントを1消費し、0になったらダンジョンから出るか、スタミナを消費して回復するかを選べます。今回プレイした範囲では、1フロアはそれほど広くありませんが、1度のトライで出来るだけ先に進もうと思ったら、あまり寄り道している暇はありません。


さらに移動中は、敵と遭遇する可能性があります。戦闘で受けたダメージはそのまま引き継がれ、戦いの最中に死亡した悪魔も倒れたまま。寄り道をするほど行動力を失うだけでなく、敵との戦いで消耗する危険も伴います。

ただしアウラゲートで戦う敵は、1度に1パーティのみ。ストーリーと違い、目の前の敵を殲滅すれば戦闘終了なので、状況に合わせた戦略でうまく乗り切るのが肝要です。また、このダンジョンには2パーティで挑めるので、パーティが消耗してきた時は交代するのもオススメ。探索用のパーティとボス戦用のパーティを分けておく、という戦法もよさそうです。

ボリューム面でも戦略的な意味でも、やり応えを感じるアウラゲート。様々なものも入手でき、特にマグネタイト集めに最適なので、頻繁に通う場所のひとつとなりそうです。注意点をあげるとすれば、アウラゲートは時間によって出現するため、いつでも入れるわけではなく、1日の決まった時間のみ攻略可能です。次に出現するまでの時間は「ホーム」画面で確認できるので、プレイする際にはしっかりとチェックしておきたいポイントとなることでしょう。


従来のように3Dダンジョンの攻略も楽しめ、新たな物語も楽しめる『D×2 真・女神転生リベレーション』。特に悪魔の育成に関するアプローチは数多く用意されているので、じっくり腰を据えてプレイしたい方にはうってつけの1本となりそうです。長く愛され続けたシリーズの、まったく新しい一歩。共に踏みしめてみてはいかがでしょうか。