美少女ゲームブランド・Keyのシナリオライターである麻枝 准氏が原案・シナリオとボーカル曲の作詞・作曲を手がけ、Wright Flyer Studiosが開発を担当するスマートフォン用ドラマチックRPG『ヘブンバーンズレッド』。

いよいよ始まったクローズドβテストに先駆けてプレイする機会に恵まれましたので、そのレポートをお届けします。項目を立てて紹介しますので「ここがどうなってるか気になるんだよな…」と明確な疑問点を持っておられる方は、そこからお読みいただいても大丈夫です!

◆物語のあらすじ
物語の舞台は、宇宙から飛来した謎の生命体により人類絶滅の危機に瀕した世界。"宇宙という名の体内に発生したガン細胞"という意味でキャンサーと名付けられたその生命体たちに立ち向かえる最後の希望は、決戦兵器セラフを扱える"何かしらの才能を持つ少女"たちだけ。人類滅亡を阻止するため、少女たちの命を賭した戦いと、その合間に彼女たちが学園基地で送る日常が描かれます。

◆メインストーリーの流れ
音楽の才を見込まれて軍に入隊したばかりの少女・茅森月歌(かやもり るか)を操作して進めます。序盤は彼女がスカウトされるまま軍に入隊して第31A部隊の部隊長に任命され、仲間たちの交流、教官からの訓示、模擬戦闘訓練などを経て、人類に仇なす敵性生命体・キャンサーとの実戦をこなせるかを計る「適性試験」への合格を目指す姿が1日ずつ描かれます。

ゲーム中の1日は朝・昼・夕・夜……といくつかの時間帯に分かれており、時間帯によってはフィールド(セラフ隊員たちが平時を過ごす学園基地の敷地内)を移動できます。束の間の自由時間である「FREE TIME」時は、仲間たちとの交流イベントやアリーナでの戦闘訓練、セラフや自身を強化するための買い物などを行えます。

なお、メインストーリーではいわゆる"スタミナ"にあたるライフは消費されないので、時間があるときにじっくりプレイできます。

◆キャラクターに関する感想と個人的イチオシキャラ
Keyで多くの人気作を手がけてきた麻枝 准氏ならではの"濃い"キャラクターが目白押しです。数時間遊んでみてのお気に入りは、主人公の茅森月歌と、同じ31A部隊の仲間である東城つかさでした。

月歌はかなり"食えない"性格で、殺伐とした世界に生きていながら常に飄々としています。選択肢によってはこちらの想像を上回るような言動をしますが「そういう考え方をするようになる出来事がなにか過去にあったらしい」ことを匂わせる描写もあり、今後の展開が気になるキャラの1人でした。

"自称・エリート諜報員"のつかさは、ルックスや落ち着きのあるたたずまいは完全に美少女のそれですが、重要な情報はほとんど司令官が言ったことの繰り返し、たまに知識を披露するかと思えば、"トリビア"的な知らなくても困らないことばかり…とかなりのポンコツぶり。

いわゆる"ポンコツキャラ"は昨今さまざまな作品に登場しますが「動揺しやすいわけでもぽけーっとしているわけでもない、むしろ常にしれっとしているポンコツ美少女」は筆者の観測範囲ではあまり見ないキャラ造形でしたのでツボでした。

◆選択肢を選ぶ楽しみとシックスセンス
メインストーリーでは時おり選択肢が登場し、選んだ内容によって月歌の「シックスセンス」が上昇することがあります。シックスセンスは「カリスマ」「器」「優しさ」「メンタル」「天然」「クレイジー」で構成されており、今後、仲間たちの絆レベルを上げていくのに必要となるようです。

ノベルゲームのように「選択肢によって今後のストーリー展開が大きく変わる」ということはなさそうに思えますが、「キャラの掛け合いを楽しむ」以外の明確なメリット・選ぶ理由が用意されているのは、個人的にはうれしいところです。

◆ライフを消費してのメインストーリー再プレイ
メインストーリーはコンソールRPGのように流れを持って先へ先へと進んでいきますが、ゲームを少し進めてホーム画面を利用できるようになると、いわゆる"スタミナ"にあたるライフを消費して好きな日の好きな時間帯から再プレイできます。

同時期に発生して一度のプレイでは見られなかった仲間との交流や、異なる選択肢を選ぶ遊びはここから行えます。ライフは時間経過ではなく日数経過での回復(毎日午前4時に全快・最大3つ)ですが、メインストーリーを進めるだけなら消費されません。

◆育成システム、育成の流れ
月歌と仲間たちの育成はスマートフォンRPGとしてオーソドックスにまとまっています。最低限の流れを大まかにまとめると、以下のようになります。

アリーナ:模擬戦闘で経験値、強化素材、GP(ゲーム内通貨)を獲得。無条件で何度でも行える
ショップ:GPを支払って身体能力や武器のセラフを強化する装備を購入
時計塔:バトルをしながらアクセサリーを収集できる
交流:仲間との絆レベルを上げる。絆レベルが上がると、能力をさらに上げられるようになる

なんらかのスマホRPGに触れたことがある人なら、すんなり理解できるのではと思います。

◆バトル〜キャラクターの"スタイル"について
バトルはターン性コマンドバトルで、開始時は敵味方ともに身体への直接ダメージを防ぐDP(デフレクタ=バリアのようなもの)を展開しており、それが破壊されるとHPにダメージを受けるようになります。1パーティは前衛3人と後衛3人で構成され、敵と直接戦うのは前衛のみ。毎ターンのコマンド選択時に、無条件で何度でも後衛との交代が可能です。

バトルではいくつかの"スタイル"が存在し、キャラによって選べるスタイルが異なります。先行プレイでは以下のようなスタイルを確認できました。

ATTACKER:敵のHPを削りやすい攻撃役
BREAKER:敵のDPを削りやすい攻撃役
DEFENDER:敵の攻撃を引きつけながら戦う攻撃役
BLASTER:DP破壊後に破壊率(味方で共有する敵への攻撃倍率)を上げやすい攻撃役
BUFFER:味方の強化を得意とする支援役
DEBUFFER:敵の弱体化を得意とする支援役
HEALER:味方のDP回復を得意とする回復役

また、各キャラはスタイルのほかに斬・突・打いずれかの攻撃属性を持っており、スタイルと属性の両方を加味してパーティーを編成するのがキモとなります。

◆ガチャで入手できるキャラクターとレア度について
ガチャではキャラを入手できますが、キャラそのものというよりは「未所有を含めたキャラのいずれかのスタイルひとつ」を引く形になっています。未所有キャラのスタイルを初めて入手する=そのキャラクターが加入する、という感じです。

スタイルにはA、S、SSなどのレア度があり、同一のキャラでも「ATTACKER運用時はSSだけど、BREAKER運用時はA」といったようにレア度のバラつきが発生します。

レア度が高くなるほど基本性能やレベル上限が高くなりますが、バトルは前述した斬・突・打の攻撃属性の相性によるダメージ増減の影響が大きく、「高レアのスタイルを1つ持ったキャラが1人いればなんとでもなる」「高レアのスタイルがないからまったく戦えない」とはあまりならなさそうに感じました。

具体例を挙げると、「レベル10、力57のSS打撃属性ATTACKER」と「レベル5、力20のA突属性DEBUFFER」を「打撃に強く、突に弱い」敵に通常攻撃させたところ、両者がDPに与えるダメージはほぼ同じでした。

◆バトルの周回性について
序盤をある程度進めると、バトルスピードの倍速化とオートバトル機能が開放されます。オートバトルは使用してほしいスキルをあらかじめ選んでおけるほか、敵のDPや味方の残りHPなどに応じて前衛と後衛の交代を適宜行ってくれるので、かなり快適でした。「通常攻撃とスキルのゴリ押しだけではギリギリ勝てない、ちょっと強い敵」にもオートで立ち向かえそうです。

◆先行プレイを終えて
麻枝氏が描く濃いキャラたちの掛け合いやぶっとんだ選択肢を選ぶ楽しみ、『アナザーエデン』でも知られるWright Flyer Studiosによる"スタミナを消費しないので好きな時にじっくり遊べるメインストーリー"などがうまく組み合わさり、コンソールRPGに近い手触りで遊べると感じました。

その一方で、フィールドの移動は適度に簡略化されていたり、戦闘時の支援スキルや回復スキルは対象を選ぶ必要がなかったり(常に前衛全員を回復できる)など、スマホRPGならではのシンプルな操作感も良く、"1人でじっくり遊べる、ターン制コマンドバトルのJRPG"として楽しめそうな一本です。

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