発売前の評判を上回る大ヒットとなっている『ウルトラ怪獣モンスターファーム』。10月20日発売の同作ですが、SNS上の人気や口コミを通じて、現在も販売数を伸ばし続けているそうです。ヒットの要因とは、一体何なのでしょうか?

◆『モンスターファーム2』とは異なる「寿命」システム
『ウルトラ怪獣モンスターファーム』は、特撮の金字塔「ウルトラマン」の怪獣たちと、育成SLG『モンスターファーム』による奇跡のコラボによって実現した作品。システムは『モンスターファーム』シリーズ、特にファンの間で評価が高い『モンスターファーム2』を踏襲しています。

しかし『モンスターファーム2』と『ウルトラ怪獣モンスターファーム』では細かな表現に違いが見られ、たとえば「寿命」の概念もその一つ。『モンスターファーム2』ではモンスターが寿命を迎えると、文字通り死んでしまいます。また寿命が尽きる前に「合体素材」にすることもできますが、その場合でもモンスターは「素材」として消費されるので消えてしまうのです。

対して『ウルトラ怪獣モンスターファーム』の場合は、「寿命」のことを「選手生命」と表現。怪獣バトルの選手として活躍できる年数を表しており、選手生命が終わっても怪獣は死ぬことはありません。さらに「合体素材」になった怪獣も、バトルの能力を他の怪獣に継承して引退。引退した怪獣にはセカンドキャリアが用意されています。

育成した怪獣は苦楽を共にした、まさに家族と言っても過言ではない存在。そんな彼らが引退後死んでしまうのではなく、“戦いの世界を離れてのんびり暮らしている”と思える世界観は『ウルトラ怪獣モンスターファーム』ならではの魅力といえるでしょう。ちょっとした表現の違いではありますが、ここに “優しい”雰囲気の一端が顕れている気がしませんか?

◆怪獣たちにとって“侵略”は“悪夢”
また『ウルトラ怪獣モンスターファーム』は、本家「ウルトラマン」ともちょっと違った世界観。「ウルトラマン」では怪獣たちが悪役に位置づけられ、悪さをする怪獣を倒すのがウルトラマンの役目でした。中には悲惨な末路を辿る怪獣も少なくありません。

しかし『ウルトラ怪獣モンスターファーム』に登場する怪獣は「ラトゥール島」に住む人々と共に暮らす存在で、ウルトラマンは暴れた怪獣をなだめる係。加えて原作では描かれていない怪獣たちの愛くるしい姿や表情、仕草なども垣間見ることができます。

さらに怪獣を休養させるとたまに夢を見ることがあるのですが、その中には「悪い宇宙人にさらわれてよその星に送り込まれて、侵略のためにムリヤリ戦わされ続ける」という悪夢に襲われる怪獣も。「ウルトラマン」世界で宇宙人に使役されるタイプの怪獣が受けている扱いが、『ウルトラ怪獣モンスターファーム』では怪獣たちの「悪夢」として語られているのです。いわば同作の世界は「ウルトラマン」の世界と違い、人間と怪獣が共存している世界。そこに生きる彼らの、平和を重んじる価値観が伝わってくるイベントだといえるでしょう。

「ウルトラマン」と『モンスターファーム』にはどちらも現実世界を反映した一種の“厳しさ”があり、作中世界のリアリティを保つ役割を果たしています。一方『ウルトラ怪獣モンスターファーム』は、そんな“厳しさ”から解放された優しい世界。この“優しさ”が疲れた現代人の需要にマッチし、大ヒットに繋がったのかもしれませんね。