八日に甲子園球場で開かれる全国高校野球選手権第一日第三試合で、三重県代表の津田学園(桑名市)が静岡県代表の藤枝明誠と一回戦を戦う。かつて〝最弱〟と言われた三年生を中心に7月の三重大会で初優勝。選手権では初の全国一勝を目指し、昨年10月の練習試合で大敗した難敵に挑む。 二年生で4番を打つ上下大地や、三重大会打率6割超の2番宮木滉生ら下級生に好素材が多いが、三年生にスター選手はいない。県一年生大会は地区予選で敗退。昨年秋の県大会、今年春の県大会はいずれも逆転負け。周囲からは、佐川竜朗教諭(39)の野球部監督就任後十年目で、最弱の学年と言われてきた。 監督の発案で、三年生の役職を増やしたことが転機になった。ゲームキャプテンを命じられた捕手の久保田拓真は「監督からお前らが主体のチームと常に言われてきた」。練習メニューも三年生を中心に考えるようになり、監督やエースの水谷翼主将に頼りがちだった同級生たちに自覚が生まれた。 三重を4―3で下した三重大会決勝では、久保田が、前日の準決勝で完投した水谷の先発を監督に進言した。久保田と共に連投を志願した水谷は「絶対抑えるという気持ちで投げた」。上下の落球が招いた九回2死一塁の同点のピンチも、最終打者をこの日最速の140キロの直球で見逃しの三振に仕留めて脱した。 水谷は今月3日、同校で開かれた壮行会で「(初戦を)全力でプレーし最後に校歌を歌う」と宣言した。「周囲に最弱と言われてきたが、最高の選手たちと訂正させて欲しい」と訴えた佐川監督。「この選手とともに甲子園に行けることに誇りに思うし、ともに勝ちたい。自分はしっかり準備する」と話し、師弟一体の勝利を誓っている。