▼最近は「ピカピカキラリ」と言うんだそうな。元気で、病いに苦しむことなく長生き、すなわち健康寿命を延ばしてコロリと死のうという意味。「ピンピンコロリ」の標語で知られてきたが、語感がどうにもぶしつけだと言い換える向きが出てきたそうだが、何だかご機嫌を取り結んで思う方向に乗せちゃおうという下心が感じられなくもない▼軽度者介護の要支援サービスを介護保険から市町村の事業に移行した制度改正がそうだと言えないか。地域の実情に合わせた多様なサービスを提供するというのが大義名分だが、膨らむ介護保険の費用をばっさり抑えることができる。今年4月以降、津市に「認知症カフェ」を活動の主たる目的とするボランティア団体が五、六件、誕生した▼認知症の当事者、介護者、地域住民の交流の場をつくり、介護問題の軽減を図る。国から十分な財源がくるわけでなし。従来資格を持つ経験豊富な専門家が担っていた要支援サービスをNPOや無償のボランティアに委ねて安上がりにする国の狙いに津市は早速呼応したかと、福祉関係者のうわさになっている▼健康寿命を引き延ばして、重度介護期間をうんと短縮して「コロリ」ならぬ「キラリ」と逝ってもらおうと、次は市町村に健康増進サークルが続々できてくるぞ、というのが先のうわさに続く臆測だ▼高齢になるほど、がん患者に積極的な治療を控える傾向があると国立がん研究センター。体力や持病、家族の有無など、治療を希望しない理由は立場で異なる。長患いを迷惑とする世間の空気を読んだケースもあるかもしれない。