【鈴鹿】三重県鈴鹿市は10日、9日付で同市磯山にある真宗高田派の専照寺(加藤正美住職)に伝来する仏教経典などの書籍5090冊と関係史料38点について、新たに市有形文化財の典籍として1件指定したと発表した。典籍の指定は市で初めて。 経典類は鎌倉から昭和時代にかけて、同寺の住職らが撰述、書写、収集した。 主な史料は、今回の最古史料で鎌倉時代後期と推測される法華経の問答集「法華経論議300帖」下巻、永禄9年(1556年)に書写した法相宗の問答書「私要鈔(しようしょう)」、天保2年(1831年)に講説のため仏教書への注釈を加えた「選択本願念仏集要解(せんじゃくほんがんねんぶつしゅうようげ)」全11冊―など。 関連史料は書籍購入時の目録や領収書などの入手記録。史料から、多くの経典類は19世紀前期に八代目住職を努めた法上上人、19世紀半ばから明治期にかけて10代目住職を努めた行海上人により集積されたことが分かったという。 市では「自宗以外での諸宗経典が多く含まれる点が、高田派の学問・教学活動の実態を考える上で貴重な蔵書群である」と判断。7月11日の市文化財調査会で審議し、「文化財的価値がある」との答申を受けて、九日の市教委定例会で指定が決まった。 今回の指定により、市指定文化財は計46点になる。