【尾鷲】三重県尾鷲市向井の県立熊野古道センターは8日、主に曽根浦で採れた紀州藩の御用石「曽根石」をテーマにした講演会を開いた。現地調査に携わった市教委の脇田大輔さん(35)が文献史料を読み解き、曽根石の特徴や搬出先を解説した。

 同センターが22日まで開いている企画展の付属講演会。曽根町内にある石切場跡13カ所のうち、大型石材が唯一現存する史跡「小杉C石切場跡」が先月、市指定文化財に登録された。講演会を通じて歴史的価値などの浸透を図る狙い。

 脇田さんは、同史跡で確認された24個の大型石材には、加工した痕跡「矢穴」が残っていると説明。江戸中期までの石切場と推定され、当時の石工は「搬出用の作業道に石壁を設け、曽根石を下ろしやすくする工夫を施した」と語った。

 曽根石は、江戸城中之門の石垣(東京都)や紀州東照宮の第三鳥居(和歌山市)で使用されていると紹介。その他の搬出先として「名古屋城の石垣に曽根石と考えられる石材を複数確認した。今後も文献や現地で調査を続けたい」と話した。